被害者等が加害者たる受刑者の処遇状況等の通知を希望し、これが相当と認められる場合には、検察官は、刑事施設の長からの通知に基づき、受刑者の処遇状況等に関する事項を当該被害者等に通知している(被害者等通知制度)(実施状況については、第7編第3章第2節1項参照)。
また、再被害防止の観点から転居等の措置を講じる必要があるため、被害者等が特に通知を希望する場合で、検察官が相当と認めるときには、受刑者の釈放予定時期及び帰住予定地等についての通知を行う制度も実施されており、令和6年は418人に対して通知が行われた(目撃者等に対する通知を含む。法務省刑事局の資料による。)。加えて、被害者等通知制度の一環として、2年10月から、被害者等からの希望に基づき、それらの者に対し、死刑を執行した事実を通知することとされた。
さらに、令和4年法律第67号による刑事収容施設法の改正(第2編第1章1項(1)参照)により、被害者等の心情等の考慮に係る規定が整備された(令和5年12月施行)。これにより、刑事施設の長は、<1>被害者等から被害に関する心情等を述べたい旨の申出があったときは、当該心情等を聴取すること、<2>受刑者の処遇要領(同編第4章第3節1項(1)参照)を策定し、矯正処遇及び社会復帰支援を行うに当たっては、被害者等の心情等を考慮すること、<3>被害者等から聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、改善指導(同節3項(2)参照)を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達すること、などとされた。令和6年において、被害者等の心情等の聴取・伝達制度(前記<1>及び<3>)により、被害者等の心情等を聴取した件数は96件、伝達件数は92件であった(法務省矯正局の資料による。実施状況の詳細については、第7編第3章第2節2項参照)。
更生保護における被害者等施策については、<1>被害者等通知制度として、地方更生保護委員会が仮釈放審理の開始・結果に関する事項について、また、保護観察所の長が仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者の保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項について、それぞれ被害者等に通知を行うもの(実施状況については、第7編第3章第3節1項参照)、<2>意見等聴取制度として、地方更生保護委員会が、刑事施設からの仮釈放、少年院からの仮退院の審理又は収容中の特定保護観察処分少年の退院の審理において、被害者等から仮釈放・仮退院等、生活環境の調整、保護観察に関する意見等を聴取するもの(実施状況については、同節2項参照)、<3>心情等伝達制度として、保護観察所が、被害者等から希望がある場合に、被害者等から被害に関する心情等を聴取して保護観察中の加害者に伝達するもの(本項後記<3>を含む実施状況については、同節3項参照)、<4>相談・支援の制度として、主に保護観察所が、被害者等からの相談に応じ、その相談内容に応じて、更生保護における犯罪被害者等施策についての説明や関係機関等の紹介等を行うもの(実施状況については、同節4項参照)が、それぞれ実施されている。
また、更生保護においては、これらの被害者等施策に加え、令和4年法律第67号による更生保護法の改正(第2編第1章1項(1)参照)により、被害者等の心情等を踏まえた処遇等についての規定が整備された(令和5年12月施行)。これにより、<1>更生保護法の規定によりとる措置は、被害者等の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況等を十分に考慮して行うこととされ、<2>地方更生保護委員会が行う被害者等からの意見等の聴取事項として、対象者の仮釈放中の保護観察及び生活環境の調整に関する意見が加えられ、<3>心情等伝達制度に、保護観察中の加害者への伝達を前提としないで被害者等の心情等を聴取する新たな選択肢を加えて統合し(心情等聴取・伝達制度)、<4>指導監督の方法として、被害者等の被害の回復又は軽減に誠実に努めるよう必要な指示等の措置をとることが追加されるなどとされた。
心神喪失者等医療観察法に定める対象行為(第4編第10章第3節1項参照)の被害者等については、平成30年7月から、保護観察所において、当該被害者等が希望する場合には、被害者等に対し、対象者の処遇段階等に関する情報を提供しており、令和6年における情報提供件数は31件であった(法務省保護局の資料による。)。