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令和7年版 犯罪白書 第7編/第3章/第3節/1

第3節 更生保護
1 更生保護における被害者等通知制度の実施状況

更生保護における被害者等通知制度第6編第2章第1節5項及び6項参照)において、通知の対象となる被害者等は、有罪裁判確定後の加害者(以下この節において「刑事処分を受けた加害者」という。)に係る通知の場合には、<1>被害者、<2>被害者の親族又はこれに準ずる者、<3>前記<1>又は<2>の弁護士である代理人であり、保護処分を受けた加害者に係る通知の場合には、<1>被害者、<2>被害者の法定代理人、<3>被害者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹、<4>前記<1>ないし<3>から委託を受けた弁護士である。

加害者の確定裁判が拘禁刑であり、その刑の全部について執行猶予の言渡しがない場合(刑の全部の執行猶予の言渡しが取り消された場合も含む。)、加害者が少年院送致の場合又は特定保護観察処分少年が少年院に収容された場合、地方更生保護委員会が被害者等に対して通知する事項は、<ア>仮釈放審理、少年院からの仮退院審理又は少年院に収容中の特定保護観察処分少年の退院審理(以下この項においてこれらを合わせて「審理」という。)の開始に関する事項(審理を開始した旨、審理開始年月日、審理開始事由等)、<イ>審理の結果に関する事項(仮釈放、少年院からの仮退院若しくは少年院に収容中の特定保護観察処分少年の退院を許す旨の決定をした旨又は仮釈放、少年院からの仮退院若しくは少年院に収容中の特定保護観察処分少年の退院が許されないこととなった旨、その年月日等)である。

加害者が保護観察処分少年、少年院仮退院者、仮釈放者又は保護観察付執行猶予者である場合のいずれも(保護観察対象者については、第2編第5章第3節参照)、保護観察所の長が被害者等に対して通知する事項は、<ア>保護観察の開始に関する事項(保護観察の開始年月日、保護観察の終了予定年月日、特別遵守事項の内容、生活行動指針の内容等)、<イ>保護観察中の処遇状況に関する事項(保護観察官及び保護司との接触状況、専門的処遇プログラムの実施状況、生活行動指針として設定されるしょく罪指導プログラムの実施状況等)、<ウ>保護観察の終了に関する事項(保護観察の終了年月日、保護観察の終了事由等)である。なお、加害者が保護観察処分少年の場合、保護観察所の長は、被害者等に対して、前記<ア>ないし<ウ>のほか、保護観察の再開に関する事項(保護観察の再開年月日等)も通知している。保護観察所の長は、前記<イ>のうち、仮釈放者に係る保護観察を停止する旨の決定等を除き、被害者等から通知希望の申出書を受理した後、適宜の時期に最初の通知を行い、以後、おおむね6か月ごとに通知を行っている。

更生保護における被害者等通知制度の実施状況(通知件数)の推移について、刑事処分を受けた加害者と保護処分を受けた加害者の別に見ると、7-3-3-1図のとおりである。

刑事処分を受けた加害者に係る通知件数の総数は、平成29年(1万1,215件)をピークにその後は1万100件台から1万800件台で推移しており、令和6年は1万324件(前年比193件(1.8%)減)であった。このうち、仮釈放審理の開始・結果に関する事項の通知件数は、平成29年(4,261件)をピークにその後は3,800件台から4,000件台で推移しており、令和6年は3,930件(同169件(4.1%)減)であった。保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項の通知件数は、平成28年(6,975件)をピークにその後は6,300件台から6,900件台で推移しており、令和6年は6,394件(同24件(0.4%)減)であった。

保護処分を受けた加害者に関する通知件数の総数は、平成25年(917件)をピークにその後は500件台から900件台で推移しており、令和6年は605件(前年比59件(10.8%)増)であった。このうち、少年院からの仮退院審理・少年院に収容中の特定保護観察処分少年の退院審理の開始・結果に関する事項の通知件数は、平成25年(165件)をピークにその後は80件台から160件台で推移し、令和6年は101件(同14件(12.2%)減)であった。保護観察の開始・再開・処遇状況・終了に関する事項の通知件数は、平成26年(779件)をピークにその後は400件台から700件台で推移しており、令和6年は504件(同73件(16.9%)増)であった。

7-3-3-1図 更生保護における被害者等通知制度の実施状況の推移
7-3-3-1図 更生保護における被害者等通知制度の実施状況の推移
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令和6年における被害者等通知制度の実施状況(保護観察所の長が通知を行ったものに限る。)について、通知件数を加害者の保護観察種別(仮釈放者、保護観察付全部・一部執行猶予者、少年院仮退院者及び保護観察処分少年)に見ると、その構成比は、7-3-3-2図のとおりである。刑事処分を受けた加害者については、仮釈放者が約7割、保護観察付執行猶予者が約3割をそれぞれ占めており、保護処分を受けた加害者については、少年院仮退院者が6割弱、保護観察処分少年が4割強をそれぞれ占めた。

7-3-3-2図 更生保護における被害者等通知制度の実施状況の保護観察種別構成比
7-3-3-2図 更生保護における被害者等通知制度の実施状況の保護観察種別構成比
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