少年事件については、少年法により、被害者等による少年事件記録の閲覧・謄写の制度、被害者等からの意見の聴取の制度、被害者等に対する審判結果等の通知の制度、一定の重大事件の被害者等が少年審判を傍聴することができる制度及び家庭裁判所が被害者等に対して審判の状況を説明する制度がある。令和6年に、被害者等から申出がなされた人員は、少年事件記録の閲覧・謄写が延べ989人(うち相当と認められた人員962人)、意見の聴取が延べ373人(同354人)、審判結果等の通知が延べ1,195人(同1,184人)であった。また、同年に、少年審判の傍聴が認められた件数・人員は21件・47人であり、審判状況の説明が認められた被害者等の人員は480人であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。
このほか、保護処分を受けた少年の処遇状況等に関する事項についても、被害者等が通知を希望し、これが相当と認められる場合には、少年院の長は、加害少年が収容されている少年院の名称、少年院における教育状況、出院年月日・出院事由等について、地方更生保護委員会は、少年院からの仮退院の審理及び収容中の特定保護観察処分少年の退院の審理の開始・結果に関する事項について、保護観察所の長は、保護観察処分少年及び少年院仮退院者の保護観察の開始・再開・処遇状況・終了に関する事項について、それぞれ通知を行っている(被害者等通知制度)(第7編第3章第2節1項(2)及び同章第3節1項参照)。なお、令和4年4月以降、保護処分時に特定少年であり、2年の保護観察に付された者が少年院に収容された場合にも、それぞれ同様の通知を行うこととしている。
また、令和4年法律第67号による少年院法の改正(第2編第1章1項(1)参照)により、被害者等の心情等の考慮に係る規定が整備された(令和5年12月施行)。これにより、少年院の長は、<1>被害者等から被害に関する心情等を述べたい旨の申出があったときは、当該心情等を聴取すること、<2>在院者の個人別矯正教育計画(第3編第2章第4節3項(1)参照)を策定し、矯正教育及び社会復帰支援を行うに当たっては、被害者等の心情等を考慮すること、<3>被害者等から聴取した心情等を在院者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、生活指導(同項(2)ア参照)を行うに当たり、当該心情等を在院者に伝達すること、などとされた。令和6年において、被害者等の心情等の聴取・伝達制度(前記<1>及び<3>)により、被害者等から心情等を聴取した件数は39件、伝達件数は37件であった(法務省矯正局の資料による。実施状況の詳細については、第7編第3章第2節2項参照)。
更生保護においては、少年事件においても、意見等聴取、心情等聴取・伝達及び相談・支援の各制度が実施されている(制度の概要については、本節5項参照。実施状況については、第7編第3章第3節2項、3項及び4項参照)。なお、前記更生保護法の改正(本節5項参照)によって整備された規定の内容は、少年についても同様に適用される(ただし、地方更生保護委員会が行う被害者等からの意見等の聴取事項に関して記載した前記<2>のうち、「対象者の仮釈放中」は、「対象者の少年院からの仮退院中(特定保護観察処分少年は退院後)」となる。)。