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令和7年版 犯罪白書 第7編/第3章/第2節/2

2 矯正における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況

矯正における被害者等の心情等の聴取・伝達制度は、令和4年6月に成立した刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号。法改正の動向については、第2編第1章1項(1)参照。被害者等の心情等の聴取・伝達制度については、第6編第2章第1節5項及び6項参照)により、刑事収容施設法及び少年院法(平成26年法律第58号)が改正され、新たに導入された(5年12月施行)。

矯正における同制度の対象者は、<1>受刑者が刑を言い渡される理由となった犯罪又は在院者が刑若しくは保護処分を言い渡される理由となった犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為による被害者、<2>被害者の法定代理人、<3>被害者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹(以下この項において「配偶者等」という。)である(以下この項及びコラム6において「被害者等」という。矯正における被害者担当官の取組については、コラム6参照)。

矯正における同制度開始後の令和5年12月から6年末までの実施状況について、収容刑事施設における利用件数は、被害者等からの申出の受理が107件、聴取実施(口頭及び書面による聴取)が100件、伝達実施が92件、申出の受理後に聴取の申出を取り下げたもの及び聴取後に伝達の申出を取り下げたものがそれぞれ1件であり、収容少年院における利用件数は、申出の受理が40件、聴取実施(口頭及び書面による聴取)が40件、伝達実施が37件であった。このうち、聴取(口頭による聴取に限る。)の実施件数を実施場所別に見ると、加害者が刑事施設に収容されている場合は、収容刑事施設が29件、収容刑事施設以外の矯正施設又は矯正管区が58件、矯正施設及び矯正管区以外が8件であり、加害者が少年院に収容されている場合は、収容少年院が12件、収容少年院以外の矯正施設又は矯正管区が20件、矯正施設及び矯正管区以外が5件であった(法務省矯正局の資料による。)。

7-3-2-3図は、令和6年における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況について、申出の受理件数を申出人別の構成比で示したものである。加害者が刑事施設に収容されている場合は、被害者及び配偶者等がそれぞれ5割近くを占めており、加害者が少年院に収容されている場合は、被害者の法定代理人が約6割を占め、被害者は約2割であった。

7-3-2-3図 矯正における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況の申出人別構成比
7-3-2-3図 矯正における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況の申出人別構成比
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7-3-2-4図は、令和6年における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況について、申出の受理件数を加害者の罪名別又は非行名別の構成比で見たものである。加害者が刑事施設に収容されている場合は、詐欺が全体の2割強を占めて最も高く、次いで、過失運転致死傷等(16.8%)、殺人(13.7%)の順であった。加害者が少年院に収容されている場合は、傷害・暴行が全体の3割弱を占めて最も高く、次いで、強盗(18.4%)、不同意性交等(15.8%)の順であった。

7-3-2-4図 矯正における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況の罪名・非行名別構成比
7-3-2-4図 矯正における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の実施状況の罪名・非行名別構成比
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