覚醒剤取締法違反の成人検挙人員中の同一罪名再犯者率(本編第4章第3節1項(1)参照)は,近年上昇傾向にあり,令和元年は66.9%という高い水準にある。また,同年に同法違反で起訴された者の有前科者率(同節2項(1)参照)は75.4%と高い水準にある。一方で,大麻取締法違反の成人検挙人員中の同一罪名再犯者率(同節1項(1)参照)は,平成27年以降おおむね横ばいで推移し,令和元年でも24.4%であるが,最近20年間で最も低かった平成16年(10.0%)よりも上昇している。
最近20年間の動きを見ると,覚醒剤取締法違反の入所受刑者の再入者率(第5編第2章第3節1項参照)は,男女共に上昇傾向にある。また,再入者のうち40~64歳の占める割合が上昇傾向にある。同法違反の出所受刑者の5年以内再入率(同節2項参照)は,窃盗と共に,他の罪名の出所受刑者と比較すると高い。平成27年の同法違反の出所受刑者の5年以内再入率を見ると,満期釈放者及び仮釈放者のいずれも出所受刑者全体と比べて高く,入所度数別(1度,2度及び3度以上の別)では,入所度数が多い者ほど再入率が高い。