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第1節 少年非行・若年犯罪の実態
1 少年非行の現状と課題

少年非行の刑法犯検挙人員は,近年減少傾向にあるが,人口比で見ると高い水準にあり(7-2-1-1-1図<1>),再非行少年率も近年漸増傾向にある(7-2-5-1図)など,少年非行の現状はなお予断を許さない状況にある。罪名別に見ると,窃盗が最も多く,遺失物等横領,傷害・暴行も多い(7-2-1-1-7表)ほか,詐欺による検挙人員の人口比の上昇(7-2-1-1-9図,若年者も同様な傾向)など,新たな非行傾向もうかがえる。

非行少年の年齢に着目すると,近年,児童自立支援施設等送致人員に占める13歳以下の年少者人員(7-2-2-4図)の増加や,保護観察処分少年に占める年少少年の構成比(7-2-4-2図)の上昇が目立つ。また,少年院入院者の年齢層別区分で見ると,年少少年,年中少年,年長少年となるにつれ,保護処分歴のある者,特に2回以上の少年院送致歴がある者の構成比が高くなっている(7-2-3-3図)。

以上を踏まえると,今後の少年非行対策においては,児童福祉機関等とも連携しつつ,低年齢層の少年に対して効果的な処遇を行い,早期に非行の芽を摘むとともに,再非行防止に効果的な処遇を推進することがますます求められていると考えられる。