7-2-3-1図は,平成22年における少年院入院者及び入所受刑者について,年齢ごとに,初入者(少年院の入院度数又は刑事施設の入所度数が1度の者)・再入者(少年院の入院度数又は刑事施設の入所度数が2度以上の者)別の人員及び人口比を見たものである。
少年院入院者の人員は,16歳から19歳までの各年齢ではおおむね700人前後の水準にあるが,再入者の人員は,年齢が高いほど多くなっており,少年院入院者人員に占める再入者の人員の比率は,年少少年では2.6%,中間少年では15.4%,年長少年では30.6%である。
入所受刑者全体で見ると,年齢が高くなるほど入所受刑者人員が多くなり,40歳前後をピークとしているが,加齢による入所受刑者人員の増加傾向は,若年入所受刑者(入所時における年齢が30歳未満の受刑者をいう。以下同じ。)において著しく,30歳までに,ピーク年齢と比べても高い水準に達している。初入者に限ると,ピークは26歳であり,以後,年齢が高くなるとともに減少している(全初入者に占める初入の若年入所受刑者の割合は30.2%である。)。これに対して,再入者の割合は,年齢が高くなるほど増えていく傾向があり,25歳前後からは,その割合が相当な部分を占める。これらのことから,若年時に刑事施設に初入し,その後,再入者となる者が少なからずいることがうかがえる。
なお,平成22年の若年入所受刑者の人員は,4,673人であり,全入所受刑者人員(2万7,079人)の17.3%を占めている(入所受刑者全体の人員・人口比の推移は2-4-1-3図参照)。
7-2-3-2図は,少年院入院者及び若年入所受刑者について,それぞれの初入・再入別の人員及び再入者率の推移(平成8年以降)を見たものである。
少年院入院者,若年入所受刑者共に,その人員は平成8年以降増加傾向にあったが,少年院入院者については12年(6,052人)を,若年入所受刑者については15年(7,097人)をピークとして,減少に転じ,22年における少年院入院者の人員は,3,619人(初入者2,938人,再入者681人)であり,若年入所受刑者の人員は,4,673人(初入者3,582人,再入者1,091人)であった。
再入者率を見ると,少年院入院者では,平成11年以降上昇傾向にあり,17年の19.6%をピークとし,以降は低下を続けていたが,22年には上昇して18.8%となった。若年入所受刑者では,15年まで低下傾向にあった後,18年まで横ばいとなり,19年からは上昇に転じて,22年では23.3%となったが,入所受刑者全体(56.2%)と比べると,顕著に低い(入所受刑者全体については,4-6-3-1図参照)。
7-2-3-3図は,平成22年における少年院入院者について,年少,中間,年長少年の別に,保護処分歴別構成比を見たものである。年少少年,中間少年,年長少年となるにつれ,保護処分歴のある者,特に少年院送致を受けた者の構成比は高くなっている。少年院送致の中でも,2回以上の送致歴のある者の割合は,年長少年において高い。