刑法犯の認知件数は、平成8年から毎年戦後最多を更新して、14年には285万3,739件にまで達した後、15年以降は減少に転じ、27年から令和3年までは戦後最少を更新していたが、4年は20年ぶりに増加し、60万1,331件(前年比3万3,227件(5.8%)増)であった。平成15年からの認知件数の減少は、刑法犯の7割近くを占める窃盗の認知件数が大幅に減少し続けた(本章第2節1項参照)ことに伴うものである。なお、新型コロナウイルス感染症と刑法犯認知件数の推移については、コラム2参照。
刑法犯の発生率の動向は、認知件数の動向とほぼ同様である。平成8年(1,439.8)から毎年上昇し、14年には戦後最高の2,238.5を記録した後、15年から低下に転じていたが、令和4年は481.3(前年比28.6上昇)となった(1-1-1-1図CD-ROM参照)。
令和4年における刑法犯の認知件数・発生率等を罪名別に見ると、1-1-1-2表のとおりである。
令和4年における刑法犯の認知件数の罪名別構成比は、1-1-1-3図のとおりである。