5-2-3-9図<1>は,平成11年から30年の各年の出所受刑者について,2年以内再入率の推移を出所事由別(仮釈放又は満期釈放等の別をいう。以下この項において同じ。)に見たものである。総数の2年以内再入率は,11年に23.4%を記録した後,わずかながら低下傾向にあり,22年以降は20%を下回り,30年は16.1%(前年比0.7pt低下)であった。満期釈放者等(満期釈放等により刑事施設を出所した者をいう。以下この項において同じ。)も,11年に33.9%を記録した後,わずかながら低下傾向にあり,20年以降は30%を下回り,30年は24.2%(同1.2pt低下)であった。仮釈放者の2年以内再入率は,23年以降わずかながら上昇していたが,29年から2年連続で低下し,30年は10.4%(同0.3pt低下)であった。30年の出所受刑者の2年以内再入率を,11年の出所受刑者と比べると,総数では7.3pt低下,満期釈放者等では9.7pt低下,仮釈放者では5.2pt低下している。また,2年以内再入率について,「再犯防止に向けた総合対策」(本編第1章第1節参照)との関係で見ると,令和元年末時点での再入率は,基準値(20%)から3.9pt低下している。なお,平成30年の出所受刑者のうち一部執行猶予受刑者は1,202人であり,そのうち2年以内再入者は136人であった(CD-ROM参照)。
5-2-3-9図<2>は,平成8年から27年の各年の出所受刑者について,5年以内再入率の推移を出所事由別に見たものである。27年の出所受刑者の5年以内再入率は,8年の出所受刑者と比べて,総数では7.4pt,満期釈放者では8.1pt,仮釈放者では6.9pt,いずれも低下しており,同年以降で最も高い5年以内再入率を記録した11年の出所受刑者と比べて,総数では9.5pt,満期釈放者では11.3pt,仮釈放者では8.0pt,いずれも低下している。
5-2-3-10図は,平成11年から30年の各年の出所受刑者について,2年以内再入率の推移を男女別,年齢層別及び罪名別に見たものである(覚醒剤取締法違反の出所受刑者の5年以内再入率(男女別及び年齢層別)については,7-4-3-11図参照)。
男性の2年以内再入率は,女性と比べて一貫して高いものの,平成12年以降緩やかに低下しており,30年は16.6%と,11年と比べて7.4pt低下している。一方,女性の2年以内再入率は,21年に11年以降で最も高い14.4%を記録したものの,30年は11.7%と,21年に次いで高かった28年(14.2%)と比べて2.5pt低下しており,出所年によって変動がある。
年齢層別の2年以内再入率は,30歳未満の年齢層が一貫して最も低い。50~64歳の年齢層及び65歳以上の高齢者層は,30歳未満及び30~49歳の年齢層と比べると一貫して高いものの,高齢者層は,出所年によって変動が大きく,平成30年は20.4%と,前年と比べて2.0pt,11年と比べると11.9pt,いずれも低下している(なお,30~39歳,40~49歳,50~59歳,60~64歳の各年齢層の2年以内再入率の推移については,CD-ROM参照)。
罪名別の2年以内再入率は,平成13年以降,窃盗が他の罪名と比べて一貫して最も高いものの,低下傾向にあり,30年は21.8%と,11年と比べて10.9pt低下している。詐欺は,出所年によって変動があり,12年には,11年以降の他の罪名と比べて最も高い33.2%を記録したものの,21年以降はおおむね低下傾向にあり,30年は11.7%と,11年と比べて20.4pt低下している。傷害・暴行は,出所年によって変動が大きいものの,30年は16.7%と,11年と比べて2.7pt低下している。覚醒剤取締法違反の2年以内再入率は,20%前後で推移していたところ,30年は16.0%と,前年と比べて1.3pt,11年と比べて6.2pt低下している。なお,30年は,傷害・暴行の2年以内再入率が,窃盗に次いで高くなっている。