4-1-3-4表 交通事件 通常第一審における有罪人員（懲役・禁錮）の科刑状況
令和元年に交通事件により通常第一審で懲役又は禁錮を言い渡された者について，これらの罪名ごとの科刑状況を見ると，4-1-3-4表のとおりである。危険運転致死傷（自動車運転死傷処罰法2条及び3条並びに平成25年法律第86号による改正前の刑法208条の2に規定する罪に限る。）事件について見ると，言渡しを受けた者のうち実刑の者の割合は，同致傷事件では11.4％（無免許危険運転致傷（自動車運転死傷処罰法6条1項及び2項に規定する罪）事件では55.0％）だったのに対し，同致死事件では100.0％であった。同致死事件では，言渡しを受けた者12人のうち5人の刑は5年を超えている。過失運転致死傷（自動車運転死傷処罰法5条及び平成25年法律第86号による改正前の刑法211条2項に規定する罪に限る。）事件について見ると，言渡しを受けた者のうち実刑の者の割合は，同致傷事件では2.2％（無免許過失運転致傷事件では13.4％）だったのに対し，同致死事件では4.6％（無免許過失運転致死事件では66.7％）であった。道交違反について見ると，言渡しを受けた者のうち実刑の者の割合は16.3％であった。道交違反では，言渡しを受けた者のうち1年未満の刑の者の割合は77.2％であったが，3年を超える刑の者も6人いた。
令和元年に交通事件で一部執行猶予付判決の言渡しを受けた者は，危険運転致傷につき1人，無免許過失運転致傷につき2人及び道路交通法違反につき4人であった（司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。）。
なお，自動車運転死傷処罰法違反及び道交違反について，第一審での罰金・科料の科刑状況は，2-3-3-4表参照。