4-7-1-1図は,女性の刑法犯について,検挙人員及び女性比の推移(昭和21年以降)を見たものである。女性の検挙人員は,56年から8万人前後で推移していたが,平成期に入って一旦減少した後,平成4年の5万2,030人を底として5年から増加傾向となり,17年には戦後最多の8万4,175人を記録した。その後,再び減少に転じ,30年は4万3,120人(前年比1,288人(2.9%)減)であった。女性の検挙人員の人口比も,検挙人員の推移とおおむね同様の傾向にある(CD-ROM参照)。
検挙人員の女性比は,昭和33年(7.0%)から上昇傾向にあったが,50年代以降はおおむね2割前後で推移しているところ,平成5年には18.2%まで低下し,その後9年と10年に22.4%まで上昇している(なお,罪名別の刑法犯検挙人員及び女性比については,2-1-1-6表参照)。
女性の検挙人員の少年比は,平成2年に57.2%を記録した後,おおむね50%前後で推移していたが,14年(46.5%)以降は低下し続けており,30年は7.9%(前年比0.2pt低下)であった(CD-ROM参照。なお,少年による刑法犯検挙人員の女子人口比については2-2-1-4図,罪名別検挙人員及び女子比については2-2-1-8表をそれぞれ参照)。
4-7-1-2図は,女性の刑法犯の検挙人員について,年齢層別構成比の推移(平成元年以降)を見たものである。男女を問わず,高年齢化が進んでいるが,女性の高年齢化は男性以上に顕著であり,50歳以上の者の占める割合は,10年まではおおむね20%未満であったが,16年には30%を超え,22年からは40%以上で推移し,30年は51.2%であった。特に,65歳以上の高齢者の占める割合は,顕著な上昇傾向にあり,5年までは最高でも5%を超える程度であったが,13年に10%を,20年に20%を超え,26年には30%を超えるに至った(CD-ROM参照)。30年における高齢者の割合は,33.9%であり,男性(18.5%)と比べ顕著に高く,高齢者の刑法犯検挙人員(4万4,767人)の3人に1人が女性であった(2-1-1-5図CD-ROM参照。なお,全年齢では女性は5人に1人であった。2-1-1-6表及び4-7-1-1図参照)。
4-7-1-3図は,平成元年・15年・30年における刑法犯の検挙人員について,罪名別構成比を男女別に見たものである。30年は,男女共に,窃盗の占める割合が最も高いが,女性における窃盗の割合は7割を超え,男性と比べて顕著に高く,特に,万引きの占める割合が高い。なかでも,女性高齢者については,その傾向が顕著である(高齢者の刑法犯検挙人員の罪名別構成比については,4-8-1-3図参照)。元年と15年を比較すると,男女共に,窃盗の占める割合が低下し,15年と30年を比較すると,男女共に,傷害・暴行の占める割合が上昇している。