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平成30年版 犯罪白書 第7編/第6章/第4節/2

2 新たな課題への対応
(1)認知症等の問題を抱えた高齢犯罪者への対応

高齢犯罪者の中には,認知症等の精神的・身体的健康問題を抱えて低額商品の万引き等の軽微な犯罪を行う者が一定程度含まれる。コラム1でも紹介したように,比較的軽微な罪を犯した者が疾病や生活上の問題を抱えている場合は,刑事手続以前の段階において,その問題に応じて福祉や医療につなぐことの必要性が指摘されている。

刑事司法機関においては,具体的事案への対応に当たり,前記の必要性や刑事手続での処理の在り方等を検討したり,コラム12で紹介したような地方公共団体と協力した対応を一層進めていくことを検討することが考えられ,その際には,コラム10及び14で紹介した海外における取組も参考となると思われる。

(2)高齢者の詐欺被害防止に寄与する研究の実施

刑法犯認知件数が減少する中で,特殊詐欺を中心とした詐欺の認知件数は増加しており,その被害者の多くを高齢者が占めている。特に,特殊詐欺の高齢被害者率は7割を超えている。法務総合研究所では,詐欺の被害に遭う高齢者を生まないための更なる効果的な対策を検討するため,今後,詐欺被害に遭った高齢者の実態等に関する調査・研究の実施を予定している。