4-6-2-3図 刑事施設の年末収容人員・収容率の推移（女性）
女性の受刑者の収容施設として指定されている刑事施設（医療刑務所及び拘置所を除く。）は，平成27年度では，栃木，笠松，和歌山，岩国及び麓の各刑務所，札幌，福島及び西条の各刑務支所並びに美祢社会復帰促進センター及び加古川刑務所の各女性収容棟である。
4-6-2-3図は，刑事施設における女性被収容者の年末収容人員及び収容率（年末収容人員の収容定員に対する比率）の推移（平成13年以降）を見たものである。女性被収容者の年末収容人員は，平成23年まで増加傾向にあったが，24年からは減少している。収容率は，18年までは100％を超えていたが，女性受刑者の収容定員が拡大されたこともあって，23年からは低下している。27年末現在において，女性の収容定員は6,224人（このうち既決の収容定員は4,605人）であるところ，その収容率は78.3％（既決94.2％，未決33.2％）であった（CD-ROM参照。なお，男女総数の収容率については，2-4-1-2図参照）。
4-6-2-4図は，女性入所受刑者の人員（罪名別）及び女性比の推移（最近20年間）を見たものである。女性入所受刑者の人員は，平成5年から18年まで増加し続けていたが，19年に若干減少し，その後はおおむね横ばいで推移している。27年は2,124人であり，8年（1,071人）の約2倍であった。罪名別に見ると，窃盗の増加が著しく，27年（895人）は，8年（194人）の約4.6倍であった。女性比については，11年を除き一貫して上昇している（なお，入所受刑者の女性人口比については，2-4-1-3図参照）。
4-6-2-5図は，女性入所受刑者の年齢層別構成比の推移（最近20年間）を見たものである。29歳以下の若年者層の構成比は，平成14年以降低下傾向にある一方で，40歳代の年齢層の構成比は，上昇傾向にあり，24年以降は他の年齢層に比べて構成比が最も高い。65歳以上の高齢者層の構成比も，14年以降上昇傾向にあり，27年（15.0％）は，前年（16.4％）より低下したものの，13年（3.8％）と比べると，約4倍に上昇している（4-7-2-2図参照。なお，入所受刑者の男女別の年齢層別構成比については，2-4-1-5図参照）。
4-6-2-6図は，女性入所受刑者について，29歳以下の若年者層及び65歳以上の高齢者層の罪名別人員の推移（最近20年間）を見たものである。若年者層においては，覚せい剤取締法違反の占める割合が一貫して最も高いが，その人員は減少傾向にある。他方，高齢者層においては，窃盗の占める割合が一貫して最も高く，その人員は顕著に増加しており，平成27年（265人）は，8年（17人）の約15.6倍であった（なお，入所受刑者の罪名別構成比については2-4-1-6図，高齢者の入所受刑者の罪名別構成比については4-7-2-3図をそれぞれ参照）。
女子の少年院入院者は，女子のみを収容する少年院（9庁）又は男女を分隔する施設がある医療少年院（2庁）のいずれかに収容される。
4-6-2-7図は，女子少年院入院者の人員（非行名別）及び女子比の推移（最近20年間）を見たものである。女子の少年院入院者の人員は，平成13年までは増加傾向にあったが，その後は減少傾向にある。男子の少年院入院者の人員も減少傾向にあるが，女子の減少の程度がより大きく，女子比は緩やかな低下傾向にある（3-2-4-1図参照）。非行名別に見ると，17年までは覚せい剤取締法違反の人員が他の非行名と比べて最も多かったが，その人員は18年以降減少傾向にあり，27年（54人）は前年より25人増加したものの，17年（125人）の2分の1以下であった（少年院入院者の非行名別構成比については，3-2-4-3図参照）。
なお，女子の少年院入院者は，男子に比べて，保護者等からの被虐待経験があるとする者の割合が高い（3-2-4-8図参照）。
