3-2-4-1図は,少年院入院者の男女別の人員及び女子比の推移(昭和24年以降)を見たものである。その人員は,昭和49年に戦後最少(1,969人)となった後,増減を繰り返し,最近20年間では,平成12年(6,052人)をピークに減少傾向が続いており,27年は2,743人(前年比4.5%減)であった。
3-2-4-2図は,年齢層別に少年院入院者の人員及び人口比の推移(最近20年間)を見たものである。
その人員は,中間少年と年長少年では,平成13年をピークとして,その後,おおむね減少傾向にあり,27年は,中間少年は1,088人(前年比7.3%減),年長少年は1,205人(同0.2%減)であった。年少少年も,24年から毎年減少しており,27年は450人(同8.2%減)であった。同年の年齢層別構成比は,年長少年(43.9%)が最も高く,次いで,中間少年(39.7%),年少少年(16.4%)の順であった。
平成27年における年少少年及び中間少年の人口比は,前年に比べ低下したが,年長少年の人口比は,前年より上昇した。
なお,平成27年における14歳未満の少年院入院者は,10人(いずれも男子)であった(矯正統計年報による。)。
3-2-4-3図は,平成27年における少年院入院者の非行名別構成比を男女別に見るとともに,これを年齢層別に見たものである。男子の構成比を見ると,いずれの年齢層でも窃盗,傷害・暴行の順に高いが,年齢層が上がるにつれて,傷害・暴行の構成比が低くなり,詐欺の構成比が高くなっている。女子の構成比を見ると,総数は,覚せい剤取締法違反,傷害・暴行,窃盗の順に高かった。女子は,男子と比べ,覚せい剤取締法違反及びぐ犯の構成比が高く,年齢層が上がるにつれて,傷害・暴行の構成比が低くなり,覚せい剤取締法違反の構成比が顕著に高くなっている。
3-2-4-4図及び3-2-4-5図は,平成27年における少年院入院者の教育程度別構成比及び就学・就労状況別構成比を,男女別に見たものである。教育程度については,男子は高校中退及び中学卒業の構成比が高く,女子は高校中退の構成比が高い。就学・就労状況については,女子は,男子と比べ,学生・生徒及び無職者の構成比がいずれも高い。
3-2-4-6図は,平成27年における少年院入院者の不良集団関係別構成比を男女別に見たものである。男女共に,不良集団関係のない者の構成比が5割を超えている。
3-2-4-7図は,平成27年における少年院入院者の保護者状況別構成比を男女別に見たものである。総数では,保護者が実母のみである者の構成比は,27年は42.5%であり,18年と比べ6.9pt高いのに対し,保護者が実父母である者の構成比は,27年は30.5%であり,18年と比べ8.6pt低い(矯正統計年報による。)。
3-2-4-8図は,平成27年6月から同年12月までにおける少年院入院者の保護者等からの被虐待経験別構成比を男女別に見たものである。女子は,男子と比べ,被虐待経験があるとする者の構成比が高い。ただし,ここでいう被虐待経験の有無・内容は,入院段階における少年院入院者自身の申告等により把握することのできたものに限られている点に留意する必要がある。