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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第5章/第5節/3 

3 保護観察の実施状況

(1) 開始当初の分類等

 保護観察の開始時における保護観察所調査対象者の分類状況,類型認定状況及び特別遵守事項の内容について調査した。

ア 分類処遇制度における分類状況

 分類処遇制度では,保護観察対象者を処遇の困難性に応じて,A・Bの2段階に分類している(分類処遇については,第2編第5章第3節4(1)及び本編第4章第6節2(7)参照。)。
 保護観察所調査対象者のうち,危険運転致死(非分類)の3人を除いた83人の分類状況は,4-5-5-4表のとおりである。

4-5-5-4表 分類状況

 保護観察所調査対象者のうち,A分類とされた者は,保護観察処分少年が16.7%,少年院仮退院者が35.1%であった。平成16年12月31日現在の全国の保護観察所に係属している対象者のA分類率は,保護観察処分少年が5.3%,少年院仮退院者が20.7%であり,これと比較して保護観察所調査対象者の方が処遇困難と分類された率が高い。
 処遇困難とされるA分類対象者は26人いたが,所定の項目による評点によってA分類とされた者は1人にすぎず,25人は,評点ではA分類とはならないものの,保護観察官の臨床的所見によってA分類と判定されていた。評点ではA分類と判定されない場合であっても,あえてA分類とした理由としては,「社会の耳目を集めた重大事犯」及び「遺族感情が極めて悪い」が多かった。

イ 類型別処遇における類型認定状況

 保護観察所調査対象者のうち,各類型に認定した者の数及び比率は,4-5-5-5表のとおりである。
 暴走族の類型に認定した者が19人(22.1%)と多く,その全員が,集団で被害者を死亡させた集団型に属している(類型別処遇については,第2編第5章第3節4(2)及び本編第4章第6節2(8)参照。)。

4-5-5-5表 類型認定状況

ウ 特別遵守事項の内容

 保護観察所調査対象者の特別遵守事項の内容は,4-5-5-6図のとおりである。
 特別遵守事項で多かったのは,「保護司との接触」(93.0%),「就労・就学関係」(84.9%),「被害者関係」(80.2%),「交友関係」(77.9%)等であった(遵守事項については,第2編第5章第3節1(2)参照。)。

4-5-5-6図 特別遵守事項の内容

(2) その後の経過

 保護観察所調査対象者86人の保護観察経過期間は,最短2か月から最長3年3か月まで広範にわたっていたが,このうち,調査時において,保護観察が終了していた者及び保護観察中の者で6か月を経過した者計73人の保護観察の経過を分析した。
 保護観察の成績及び再非行の有無は,4-5-5-7図のとおりである。

4-5-5-7図 保護観察の成績及び再非行の有無

 総合的に見た保護観察の成績は,「おおむね良好」に経過した者が64.4%,「経過に伴って成績が向上」した者が11.0%であり,成績良好な者が多かった。
 他方,再非行があった者は,8.2%であり,再非行の内容は,無免許運転,速度違反等であった。