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2 保護観察対象者の特徴 (1) 年齢 保護観察新規受理人員(交通短期保護観察少年を除く。以下,本節において同じ。)の年齢層別構成比の推移(昭和54年以降)は,4-4-6-6図のとおりである。
保護観察処分少年では,「16・17歳」と「18歳以上」の比率がほぼ同じであり,少年院仮退院者では,「18歳以上」の比率が高い。また,保護観察処分少年では,「15歳以下」の比率が上昇し,低年齢化の傾向がうかがわれる。 4-4-6-6図 保護観察新規受理人員の年齢層別構成比の推移 (2) 男女別 男女別保護観察新規受理人員及び女子比の推移(最近30年間)は,4-4-6-7図のとおりである。
保護観察処分少年の女子比は,おおむね上昇傾向にあり,平成16年は14.0%であった。同年の少年院仮退院者の女子比は,9.7%であった。 4-4-6-7図 男女別保護観察新規受理人員・女子比の推移 (3) 非行名 保護観察処分少年新規受理人員の非行名別構成比の推移(最近30年間)は,4-4-6-8図[1]のとおりである。
窃盗及び傷害の比率は,上昇傾向にあり,業過及び道路交通法違反の比率は,低下傾向にある。平成16年は,窃盗が39.5%と最も高く,次いで,道路交通法違反(16.6%),傷害(11.8%),業過(7.1%),恐喝(5.3%)の順であった。 少年院仮退院者新規受理人員の非行名別構成比の推移(最近30年間)は,4-4-6-8図[2]のとおりである。 4-4-6-8図 保護観察新規受理人員の非行名別構成比の推移 傷害,強盗及び道路交通法違反の比率は,上昇傾向にある。平成16年は,窃盗が39.0%と最も高く,次いで,傷害(13.1%),強盗(11.4%),道路交通法違反(10.1%),恐喝(6.2%)の順であった。(4) 保護処分歴 平成16年の保護観察新規受理人員の保護処分歴別構成比は,4-4-6-9図のとおりである。
保護観察処分少年では,「保護処分歴なし」の者が49.2%を占めており,少年院仮退院者では,「保護観察」の者が43.4%を占めている。 4-4-6-9図 保護観察新規受理人員の保護処分歴別構成比 (5) 居住状況 保護観察新規受理人員の居住状況別構成比の推移(昭和54年以降)は,4-4-6-10図のとおりである。
保護観察処分少年,少年院仮退院者ともに,「母と同居」の比率が上昇している。 4-4-6-10図 保護観察新規受理人員の居住状況別構成比の推移 (6) 就学・就労状況 保護観察新規受理人員の就学・就労別構成比の推移(昭和54年以降)は,4-4-6-11図のとおりである。
保護観察処分少年では,平成4年以降,学生・生徒の比率が一貫して上昇し,16年は33.6%であった。他方,有職者の比率は,年々低下し,同年は41.1%であった。 少年院仮退院者では,無職者の比率が高く,平成16年は69.4%であった。他方,有職者の比率は,低下傾向にあり,同年は20.9%であった。仮退院直後から就労できる者の比率が低下してきていることがうかがわれる。 4-4-6-11図 保護観察新規受理人員の就学・就労別構成比の推移 保護観察終了人員(交通短期保護観察少年を除く。以下,本節において同じ。)の就学・就労別構成比の推移(昭和54年以降)は,4-4-6-12図のとおりである。各年の保護観察新規受理人員と終了人員とでは,その対象が同一ではないため,厳密な意味での比較は困難であるが,保護観察終了人員は,保護観察新規受理人員(4-4-6-11図)と比較すると,保護観察処分少年,少年院仮退院者ともに,有職者の比率が高い。しかし,平成16年においては,保護観察処分少年では13.8%の者が,少年院仮退院者では22.9%の者が,無職のまま保護観察を終了している。 4-4-6-12図 保護観察終了人員の就学・就労別構成比の推移 (7) 分類処遇におけるA分類率 保護観察処分少年及び少年院仮退院者のA分類率(処遇困難と予測された者の比率。第2編第5章第3節4(1)参照。)の推移(平成元年以降)は,4-4-6-13図のとおりである。
保護観察処分少年のA分類率は,横ばいであり,平成16年12月31日現在で5.3%であった。少年院仮退院者のA分類率は,低下傾向にあり,同日現在で20.7%であった。保護観察処分少年よりも少年院仮退院者の方がA分類率が高く,更生上の問題を有する者が多いことがうかがわれる。 4-4-6-13図 少年の保護観察の分類処遇におけるA分類率の推移 (8) 類型別処遇における類型認定率 保護観察処分少年及び少年院仮退院者の類型認定率(第2編第5章第3節4(2)参照)の推移(最近10年間)は,4-4-6-14図のとおりである。
「中学生」及び「校内暴力」を除く各類型では,少年院仮退院者の類型認定率が保護観察処分少年のそれよりも高くなっている。 近年,「無職等」,「精神障害等」及び「中学生」といった類型の認定率が上昇し,他方,特に「シンナー等乱用」の認定率が低下傾向にある。 平成16年12月31日現在の類型認定率は,「暴走族」(保護観察処分少年9.5%,少年院仮退院者24.4%)及び「シンナー等乱用」(保護観察処分少年6.5%,少年院仮退院者13.8%)が比較的高い。 4-4-6-14図 保護観察の類型別処遇における類型認定率の推移 |