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1 覚せい剤事犯 IV-1図は,昭和45年以降の30年間について,覚せい剤事犯の検挙人員の推移を見たものである。
IV-1図 覚せい剤事犯検挙人員の推移 覚せい剤事犯の検挙人員は,昭和59年の2万4,372人をピークに減少に転じ,平成6年の1万4,896人を底に再び増加傾向を示しており,10年にはいったん減少したが,11年は,前年より1,407人(8.2%)増加して,1万8,491人となっている。さらに,これを違反態様別に見ると,使用1万153人(54.9%),所持6,437人(34.8%),譲渡し1,242人(6.7%),譲受け517人(2.8%),密輸入94人(0.5%)等となっている。平成11年に覚せい剤に起因する犯罪により検挙された者は,159人で,前年より2人減少し,内容的には住居侵入のほか,窃盗,傷害,器物損壊等が多くなっている。また,同年に覚せい剤に起因する事故を起こした者は,交通事故29人,乱用死26人,自殺8人等合計67人である(警察庁生活安全局の資料による。)。 平成11年における暴力団の構成員及び準構成員(以下,本節において「暴力団構成員等」という。)による覚せい剤事犯の検挙人員は,7,944人(覚せい剤事犯検挙人員全体の43.4%,前年より0.7ポイント増)であるが,これを態様別に見ると,使用が4,124人(51.9%)と最も多く,次いで所持2,986人(37.6%),譲渡し661人(8.3%),譲受け148人(1.9%)等の順となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。 平成11年における来日外国人(本編第2章第2節の「来日外国人」をいう。以下,本節において同じ。)による覚せい剤事犯検挙人員は509人で,前年より100人(16.4%)の減少となっている。これを国籍別に見ると,イランが137人(26.9%)で最も多く,次いでフィリピン136人(26.7%)となっている(警察庁長官官房国際部の資料による。)。 平成11年における覚せい剤事犯検挙人員を年齢層別に見ると,IV-2図のとおりである。19歳以下は1,003人(前年より76人減少)で,そのうち,高校生が81人(同22人減少),中学生が24人(同15人減少)となっている。 IV-2図 覚せい剤事犯検挙人員の年齢層別構成比 平成7年以降における覚せい剤等の押収量は,IV-1表のとおりである。IV-1表 覚せい剤・麻薬等の押収量 平成11年における覚せい剤1kg以上の大量押収事犯は,35件(押収量合計1,974.8kg)であり,これを密輸入の仕出地(国又は地域であり,推定を含む。)別に見ると,中国13件(935.8kg),北朝鮮2件(664.6kg),台湾1件(2.1kg),シンガポール1件(2.1kg)及び仕出地不明18件(370.2kg)となっている。なお,覚せい剤1kg以上の大量押収事犯について,最近5年間の累計により仕出地別押収量の構成比を見ると,中国の71.6%,北朝鮮の28.3%の順となっている(警察庁生活安全局及び海上保安庁警備救難部の資料による。)。 |