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令和7年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/1

1 窃盗

令和6年における窃盗の認知件数の手口別構成比は、1-1-2-2図のとおりである(手口別の認知件数については、CD-ROM参照)。自転車盗の構成比が最も高く、次いで万引きの順であり、両手口の構成比の合計は、全体の5割を超えている。

また、特殊詐欺(本節3項参照)に関係する手口である払出盗(不正に取得し、又は不正に作成したキャッシュカード等を利用してATM(CDを含む。)から現金を窃取するもの)及び職権盗(公務員等の身分を詐称し、捜査、検査等を装い、隙をみて金品を窃取するもの)の認知件数は、近年増加傾向にあったところ、令和6年は、払出盗が8,030件(前年比2.8%減)、職権盗が1,176件(同25.5%減)と、いずれも減少した(警察庁の統計による。)(なお、SNS型ロマンス詐欺において、暗号資産が用いられていることについてコラム3参照)。

1-1-2-2図 窃盗 認知件数の手口別構成比
1-1-2-2図 窃盗 認知件数の手口別構成比
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認知件数の推移(最近30年間)を態様別に見ると、1-1-2-3図<1>のとおりであり、手口別に見ると、1-1-2-3図<2>のとおりである。

令和6年の認知件数を見ると、態様別では、前年と比べ、侵入窃盗が1,192件(2.7%)減少したのに対し、乗り物盗は1万1,853件(6.6%)増加し、非侵入窃盗は7,151件(2.8%)増加した。手口別では、自転車盗が17万4,020件(前年比9,840件(6.0%)増)であり、4年から3年連続で増加した。また、万引きも9万8,292件(同5,124件(5.5%)増)であり、5年から2年連続で増加した。

なお、近年、被害品が金属類(銅板、銅線等)に係る窃盗である金属盗の認知件数が増加傾向にあり、令和6年は2万701件(前年比27.2%増)であった(警察庁長官官房の資料による)。金属盗については、メンバーが流動的に入れ替わる外国人グループにより太陽光発電施設内の金属ケーブルが大量に盗み出され、金属くず買取業者に売却されるなど、窃盗等が組織的かつ計画的に行われている実態も確認されている。こうした状況を踏まえ、7年6月、盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(令和7年法律第75号)が成立し、これにより、<1>盗難特定金属製物品の処分の防止のための特定金属くず買受業に係る措置、<2>指定金属切断工具の隠匿携帯の禁止、<3>特定金属製物品の盗難の防止に資する情報の周知等の規定の整備が行われた(<1>は8年6月までに施行、<2>、<3>は7年9月1日施行)。

1-1-2-3図 窃盗 認知件数の推移(態様別、手口別)
1-1-2-3図 窃盗 認知件数の推移(態様別、手口別)
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令和6年における窃盗の検挙件数の手口別構成比は、1-1-2-4図のとおりである(手口別の検挙件数については、CD-ROM参照)。

1-1-2-4図 窃盗 検挙件数の手口別構成比
1-1-2-4図 窃盗 検挙件数の手口別構成比
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令和6年の窃盗の検挙率を態様・手口別で見ると、侵入窃盗(57.8%)、非侵入窃盗(46.7%)、乗り物盗(8.6%)の順であったところ、非侵入窃盗のうち万引きは68.1%、払出盗は93.6%、職権盗は98.4%であった(警察庁の統計による。)。