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令和5年版 犯罪白書 第2編/第2章/第4節

第4節 被疑事件の処理

検察官が行う起訴処分には、公判請求と略式命令請求があり、不起訴処分には、<1>訴訟条件(親告罪の告訴等)を欠くことを理由とするもの、<2>事件が罪とならないことを理由とするもの(心神喪失を含む。)、<3>犯罪の嫌疑がないこと(嫌疑なし)又は十分でないこと(嫌疑不十分)を理由とするもののほか、<4>犯罪の嫌疑が認められる場合でも、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないこと(起訴猶予)を理由とするものなどがある。

検察庁終局処理人員総数(過失運転致死傷等及び道交違反を含む。以下この節において同じ。)について、処理区分別構成比及び公判請求人員・公判請求率の推移(最近20年間)は、2-2-4-1図のとおりである。令和4年における検察庁終局処理人員総数は、74万5,066人(前年比2万9,456人(3.8%)減)であり、その内訳は、公判請求6万9,066人、略式命令請求15万8,531人、起訴猶予41万9,846人、その他の不起訴5万9,246人、家庭裁判所送致3万8,377人であった。公判請求人員は、平成17年から減少傾向にあり、令和4年は前年より7,482人(9.8%)減少した。公判請求率は、平成14年から26年までは7%台で推移していたが、同年以降上昇傾向にあったところ、令和4年は9.8%(前年比0.6pt低下)であった(CD-ROM参照。罪名別の検察庁終局処理人員については、CD-ROM資料2-2参照)。

2-2-4-1図 検察庁終局処理人員総数の処理区分別構成比・公判請求人員等の推移
2-2-4-1図 検察庁終局処理人員総数の処理区分別構成比・公判請求人員等の推移
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起訴、起訴猶予及びその他の不起訴の人員並びに起訴率の推移(最近20年間)を、刑法犯、道交違反を除く特別法犯に分けて見ると、2-2-4-2図のとおりである。なお、令和4年における検察庁終局処理人員総数の起訴率は、32.2%であった(2-2-4-1図CD-ROM参照)。

2-2-4-2図 起訴・不起訴人員等の推移
2-2-4-2図 起訴・不起訴人員等の推移
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令和4年における不起訴処分を受けた者(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。)の理由別人員は、2-2-4-3表のとおりである。起訴猶予により不起訴処分とされた者の比率は、平成15年と比較して3.6pt低下したのに対し、嫌疑不十分(嫌疑なしを含む。)により不起訴処分とされた者の比率は、3.0pt上昇した(CD-ROM参照)。

2-2-4-3表 不起訴人員(理由別)
2-2-4-3表 不起訴人員(理由別)
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検察庁終局処理人員総数、刑法犯及び道交違反を除く特別法犯の起訴猶予率の推移(最近20年間)を見ると、2-2-4-4図のとおりである(過失運転致死傷等及び道交違反の起訴猶予率の推移については4-1-3-2図CD-ROM、罪名別・年齢層別の起訴猶予率については4-8-2-1図をそれぞれ参照)。

なお、検察庁と保護観察所等が連携して行う「起訴猶予者等に係る更生緊急保護の重点実施等」については、本編第5章第4節参照。

2-2-4-4図 起訴猶予率の推移
2-2-4-4図 起訴猶予率の推移
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