大麻は,法律上,大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品(成熟した茎や種子等を除く。)をいうところ,その形状,製法,生産地により様々な名称で呼ばれ,乾燥させたものはマリファナ,ガンジャ等,樹脂を固めて塊状にしたものはハシッシュ,チャラス等,液体状にしたものはハシッシュ・オイル等と呼ばれる。吸煙のほか,食品に混ぜて喫食するなどの方法により摂取される。
大麻に含有されるデルタ9テトラヒドロカンナビノール(THC)はカンナビノイド受容体に作用し,多幸感,時間感覚のゆがみ等を引き起こすほか,短期記憶障害等の認知機能障害,協調運動障害,不安,パニック,妄想,頻脈,結膜充血等を引き起こし,慢性的使用により悪心・おう吐等を特徴とするカンナビノイド悪阻症候群を引き起こす。統合失調症等の精神疾患を悪化させることもある。精神的依存性があるほか,使用を繰り返すことにより耐性が形成される。離脱により易怒性,不安,抑うつ気分,不眠,食欲低下等が生じる。