「宣言:犯罪に戻らない・戻さない」では,犯罪や非行をした者を実際に雇用している協力雇用主の数を令和2年までに約1,500社にまで増加させるとの数値目標を設定していたところ,協力雇用主の雇い入れ拡大のための支援等の実施により,これらの者を雇用する協力雇用主の数は1,556社(元年10月1日現在)となり,前記目標を達成した(2-5-6-6図参照)。
また,「宣言:犯罪に戻らない・戻さない」では,刑務所出所時に適切な帰住先がない者の数を令和2年までに4,450人以下に減少させるとの数値目標を設定していたところ,更生保護施設及び自立準備ホームにおける受入れ促進等の実施により,平成29年には前記目標が達成され,令和元年には3,380人にまで減少した(2-4-2-10図参照)。
さらに,再犯防止推進法において,地方公共団体は,再犯防止推進計画を勘案し,地方再犯防止推進計画を定めるよう努めなければならないとされているところ,令和2年4月1日現在,69の地方公共団体(都道府県が31団体,市町村(特別区を含む。)が38団体)において,同計画が策定されている。また,平成30年度から,法務省においては,国・地方公共団体の協働による地域における効果的な再犯防止対策の在り方について検討するため,事業期間を令和2年度末までとする「地域再犯防止推進モデル事業」を実施しており,36の地方公共団体に同事業を委託している(法務省大臣官房秘書課の資料による。)。
前記のとおり,政府においては,再犯防止推進計画に基づき,関係府省庁が連携協力して再犯防止施策を推進し着実に成果を上げつつあるものの,他方で,出所受刑者の約4割を占める満期釈放者について,2年以内再入率が仮釈放者と比較して2倍以上高いなど,より重点的に取り組んでいくべき課題も明らかとなったことから,令和元年12月,犯罪対策閣僚会議は,「再犯防止推進計画加速化プラン~満期釈放者対策を始めとした“息の長い”支援の充実に向けて~」を決定し,より重点的に取り組むべき三つの課題,すなわち,「<1>満期釈放者対策の充実強化」,「<2>地方公共団体との連携強化の推進」,「<3>民間協力者の活動の促進」について,これらに対応した各種取組をより一層推進することとした。