4-7-2-4図 高齢者の保護観察開始人員・高齢者率の推移
高齢の仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者について，保護観察開始人員及び高齢者率の推移（最近20年間）を見ると，4-7-2-4図のとおりである（仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者のうち，一部執行猶予者の人員の動向については，CD-ROM参照）。
仮釈放者では，高齢者の保護観察開始人員・高齢者率は，増加・上昇傾向にあり，令和元年もいずれも前年より若干増加・上昇した。特に，70歳以上の仮釈放者は639人であり，平成元年以降最多となった（CD-ROM参照）。令和元年の高齢者の保護観察開始人員は，平成12年と比べ，約3.4倍に増加している。特に，70歳以上の人員では，約5.8倍に増加している。
保護観察付全部・一部執行猶予者では，高齢者の保護観察開始人員は増減を繰り返しており，高齢者率については，上昇傾向にあり，平成26年及び28年には9.2％に達したが，29年以降は毎年低下している。令和元年の高齢者の保護観察開始人員は，平成12年と比べ，約2.2倍に増加している。特に，70歳以上の人員は，約3.5倍であり，23年以降，70歳以上の人員が65～69歳の人員を上回っている。
令和元年における保護観察付一部執行猶予者の保護観察開始人員を年齢層別に見ると，20～64歳は1,389人，65～69歳は17人，70歳以上は13人となっている（CD-ROM参照）。
令和元年における仮釈放による出所受刑者の人口比を年齢層別に見ると， 20～64歳が15.2であったのに対し，65～69歳は5.4，70歳以上は2.4であった（保護統計年報及び総務省統計局の人口資料による。）。
令和元年の高齢出所受刑者の仮釈放率は，40.3％であり，出所受刑者全体の仮釈放率（58.3％）よりも18.1pt低い（出所受刑者全体の仮釈放率については，2-5-2-1図CD-ROM参照）。年齢層別に見ると，65～69歳は42.6％（前年比1.0pt上昇），70歳以上は38.7％（同1.3pt上昇）であった。元年の女性の高齢出所受刑者の仮釈放率は，57.9％であり，高齢出所受刑者人員総数の仮釈放率よりも17.6pt高く，年齢層別に見ると，65～69歳は61.2％（同3.3pt低下）であり，70歳以上は56.6％（同2.5pt低下）であった（法務省大臣官房司法法制部の資料による。）。