4-4-1-1図は,不正アクセス行為(不正アクセス禁止法11条に規定する罪をいう。)の認知件数の推移(最近20年間)である。不正アクセス行為の認知件数については,増減を繰り返しながら推移し,令和元年は2,960件(前年比1,474件(99.2%)増)であった。
令和元年の不正アクセス行為の認知件数について,被害を受けた特定電子計算機(ネットワークに接続されたコンピュータをいう。)のアクセス管理者(特定電子計算機を誰に利用させるかを決定する者をいう。)別の内訳を見ると,被害は,「一般企業」が圧倒的に多く(2,855件),「行政機関等」は90件,「プロバイダ」は6件,「大学,研究機関等」は3件であった。また,不正アクセス行為後の行為の内訳を見ると,「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く(1,808件,61.1%),次いで,「インターネットショッピングでの不正購入」(376件,12.7%),「メールの盗み見等の情報の不正入手」(329件,11.1%),「オンラインゲーム・コミュニティサイトの不正操作」(60件,2.0%)の順であった。「インターネットバンキングでの不正送金等」は前年と比較して1,478件(前年比447.9%)増加した(警察庁生活安全局,総務省サイバーセキュリティ統括官及び経済産業省商務情報政策局の資料による。)。
コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(電磁的記録不正作出・毀棄等,電子計算機損壊等業務妨害,電子計算機使用詐欺及び不正指令電磁的記録作成等),支払用カード電磁的記録に関する罪(刑法第2編第18章の2に規定する罪)及び不正アクセス禁止法違反の検挙件数の推移(最近5年間)は,4-4-1-2表のとおりである。不正アクセス禁止法違反の検挙件数は,平成27年から3年連続で増加し,30年に減少したが,令和元年は再び増加し,816件(前年比44.7%増)であった(CD-ROM参照)。
なお,罪名ごと(罪名別の統計が存在するものに限る。)の検察庁終局処理人員は,CD-ROM資料4-4参照。