平成11年7月,21世紀の我が国社会において司法が果たすべき役割を明らかにし,国民がより利用しやすい司法制度の実現,国民の司法制度への関与,法曹の在り方とその機能の充実強化その他の司法制度の改革と基盤の整備に関し必要な基本的施策について調査審議することを目的として,内閣に司法制度改革審議会が設置された。13年6月には,「国民の期待に応える司法制度の構築」,「司法制度を支える法曹の在り方の改革」,「国民的基盤の確立(国民の司法参加)」を三つの柱とする司法制度改革審議会意見書が取りまとめられ,同年11月,司法制度改革推進法が成立した。14年3月,同法に基づき司法制度改革推進計画が閣議決定され,16年12月までの間に24本の法律案が可決・成立した。
刑事司法の分野においては,司法制度改革審議会意見書において,刑事裁判の充実・迅速化,国選弁護人制度の整備,検察審査会の機能強化,刑事訴訟手続への新たな国民参加制度の導入等が提言されており,平成16年5月に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律では,公判前整理手続,即決裁判手続,被疑者勾留段階における国選弁護人制度,検察審査会の一定の議決により公訴が提起される制度等が導入されるとともに,国民の司法参加の見地から,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)により,裁判員制度が導入された(第3編第1章第1節2項コラム4及び第3節参照)。