犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族又は重傷病を負い若しくは障害が残った者に対しては,犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(平成13年7月1日前の題名は「犯罪被害者等給付金支給法」,同日から20年7月1日前の題名は「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」。改正経緯については,第1編第2章第5節5項参照)に基づき,犯罪被害者等給付金が支給される。
犯罪被害給付制度については,平成7年に発生した地下鉄サリン事件(第4編第3章第1節コラム15参照)等の無差別殺傷事件の発生等を契機に,犯罪被害者の置かれた状況が広く国民に認識されたことに伴い,犯罪被害給付制度を始めとする犯罪被害者に対する支援の拡充を求める社会的な気運が急速に高まり,13年7月には,支給対象の拡大や給付基礎額の引上げを中心とした制度の拡充が図られた。その後も,18年4月には,重傷病給付金に係る支給要件の緩和及び支給対象期間の延長並びに親族間での犯罪に係る支給制限の緩和が,20年7月には,休業損害を考慮した重傷病給付金の額の加算,重度後遺障害者(障害等級第1~3級)に対する障害給付金の額及び生計維持関係のある遺族に対する遺族給付金の額の引上げが,21年10月には,配偶者からの暴力事案等の被害者に係る支給制限の緩和が,26年11月には,親族間での犯罪に係る減額・不支給事由の見直しが,30年4月には,幼い遺児がいる場合の遺族給付金の増額,重傷病給付金の給付期間の延長,仮給付の柔軟化,親族間での犯罪被害に係る減額・不支給事由の抜本的見直しがそれぞれ実施されるなど,犯罪被害者等基本法及び犯罪被害者等基本計画を踏まえた制度の拡充がなされた。
犯罪被害者等給付金の支給状況について,年度ごとの支給裁定件数及び支給裁定総額に係る数値を入手し得た平成10年度以降の推移は,6-2-2-1図のとおりである。