平成19年6月,犯罪被害者等基本法及びこれを受けて政府が策定した犯罪被害者等基本計画等を踏まえ,犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成19年法律第95号)が成立し,20年12月に全面施行された。同法では,刑事訴訟法等が一部改正され,一定の要件の下で,被害者等が刑事裁判に参加できる被害者参加制度(第6編第2章第3節コラム17参照)の創設,刑事手続において被害者等の氏名等の情報を保護するための制度の創設がなされたほか(刑事訴訟法の改正については,本章第1節1項(10)参照),犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律の題名が犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律に改められ,損害賠償請求に関し,刑事手続の成果を利用する制度の創設(損害賠償命令制度),公判記録の閲覧及び謄写の範囲の拡大に関する規定の整備等がなされた。