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平成28年版 犯罪白書 第4編/第6章/第1節

第6章 女性犯罪・非行
第1節 犯罪・非行の動向

4-6-1-1図は,女性の刑法犯について,検挙人員及び人口比の推移(昭和21年以降)を見たものである。女性の検挙人員は,昭和56年から8万人前後で推移していたが,平成に入って一旦減少した後,平成4年の5万2,030人を底として5年から増加傾向となり,17年には戦後最多の8万4,175人を記録した。その後,再び減少に転じ,27年は4万9,282人(前年比2,223人(4.3%)減)であった。女性の検挙人員の人口比も,検挙人員の推移とおおむね同様の傾向にある。検挙人員の女性比は,昭和33年(7.0%)から上昇傾向にあったが,50年代以降はおおむね2割前後で推移している(CD-ROM資料1-1参照。なお,罪名別の刑法犯検挙人員及び女性比については,1-1-1-6表参照)。

女性の検挙人員の少年比は,平成2年には57.2%を記録したが,14年(46.5%)以降は低下し続けており,27年は10.4%(前年比3.3pt低下)であった(CD-ROM参照。なお,少年による刑法犯検挙人員の女子人口比については3-1-1-4図,罪名別検挙人員及び女子比については3-1-1-6表をそれぞれ参照)。

4-6-1-1図 女性(成人・少年)の刑法犯 検挙人員・人口比の推移
4-6-1-1図 女性(成人・少年)の刑法犯 検挙人員・人口比の推移
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4-6-1-2図は,女性の刑法犯の検挙人員について,年齢層別構成比の推移(過去30年間)を見たものである。男女を問わず,高年齢化が進んでいるが,女性の高年齢化は男性以上に顕著であり,50歳以上の者の占める割合は,平成10年まではおおむね20%未満であったが,16年には30%を超え,22年からは40%以上で推移し,27年は50.6%であった。特に,65歳以上の高齢者の占める割合は,顕著な上昇傾向にあり,5年までは最高でも5%を超える程度であったが,13年に10%を,20年に20%を超え,26年には30%を超えるに至った。27年における高齢者の割合は,33.1%であり,男性(16.5%)に比べ顕著に高く,高齢者の刑法犯検挙人員(4万7,632人)の3人に1人が女性であった(1-1-1-5図CD-ROM参照。なお,全年齢では女性は5人に1人にすぎない。1-1-1-6表参照)。

4-6-1-2図 女性の刑法犯 検挙人員の年齢層別構成比の推移
4-6-1-2図 女性の刑法犯 検挙人員の年齢層別構成比の推移
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4-6-1-3図は,平成27年における刑法犯の検挙人員について,罪名別構成比を男女別及び成人・少年の別に見たものである。いずれにおいても,窃盗の占める割合が最も高いが,女性における窃盗の割合は,成人女性で約8割,少年女子においても約7割と,男性(成人42.4%,少年57.0%)に比べて顕著に高い。特に,女性は,男性に比べて,万引きの占める割合が高く,高齢者については,特にその傾向が顕著である(高齢者の刑法犯検挙人員の罪名別構成比については,4-7-1-3図参照)。

4-6-1-3図 刑法犯 検挙人員の罪名別構成比(男女別,成人・少年別)
4-6-1-3図 刑法犯 検挙人員の罪名別構成比(男女別,成人・少年別)
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4-6-1-4図は,女性による特別法犯(平成15年までは交通関係4法令違反を除き,16年以降は交通法令違反を除く。以下この節において同じ。)の送致人員等の推移(過去30年間)を見たものである。女性の特別法犯の送致人員は,15年からは1万から1万1,000人台で推移していたところ,27年は9,611人(前年比4.1%減)であった。特別法犯における女性比については,4年(20.1%)以降低下傾向にあったが,23年からは15%前後で推移している。

平成27年における女性の特別法犯の送致人員を罪名別で見ると,覚せい剤取締法違反が2,151人(22.4%)と最も多く,次いで,風営適正化法違反988人(10.3%)及び軽犯罪法違反908人(9.4%)の順であり,それらで全体の約4割を占めている(警察庁の統計による。)。

女性の覚せい剤取締法違反の送致人員は,昭和59年に最多の4,274人を記録した後,一旦2,000人台に減少し,平成7年から3,000人台で増減を繰り返した後,再び減少し,15年からは,2,000人台で推移している(CD-ROM参照)。

4-6-1-4図 女性の特別法犯 送致人員・女性比の推移
4-6-1-4図 女性の特別法犯 送致人員・女性比の推移
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