少年については,早期に手当てをし,再非行・再犯の連鎖に陥るのを食い止めることが重要であることは,近年の犯罪白書で述べてきたとおりである。「再犯防止に向けた総合対策」でも「対象者の特性に応じた指導及び支援を強化する」ことが重点施策の一つとされ,少年・若年者及び初入者に対する指導及び支援が掲げられている。
今回実施した特別調査の結果からも,少年の社会復帰支援に関しては,成人と異なるニーズがあることがうかがわれた。少年の特徴として,保護者に監護される立場にあることから,住居や就労といった場面の問題であっても,それ以外の,薬物使用等の問題であっても,家族関係の調整や家族の協力・支援を始めとする人的サポートの重要性は高く,そのニーズは,保護司調査や在院者調査でも裏付けられた(7-3-1-3-2図,7-3-1-3-4図,7-3-1-3-6表,7-3-2-3-6図,7-3-2-3-14図及び7-3-2-3-19図参照)。また,様々な場面で不良交友が問題の解決を阻む傾向にあり(7-3-1-3-5表参照),これについても,家族を始めとする周囲の協力等が重要な鍵であることがうかがわれる。少年については,家族関係の調整,家族の支援の後押しを重視しつつ,保護者の監護力が十分でないケースについては,これを補完する学校,児童福祉機関等との連携が不可欠であり,BBS会,更生保護女性会等の更生保護関係者の協力を始めとして,地域社会において青少年の健全育成に関わる団体等の関与を推進していくことも有効と考えられる。