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第1節 調査対象者の概況
1 調査対象者の属性等

調査対象者の本件非行名を男女別に見ると,7-3-1-1表のとおりであり,入院した少年院の種類及び処遇区分別の人員を見ると,7-3-1-2表のとおりである(少年院の種類及び処遇区分については第3編第1章第4節2項参照)。なお,平成22年における少年院入院者全体の中等少年院に送致された者に占める短期処遇(一般短期処遇及び特修短期処遇)の者の比率(26.8%。3-1-4-8表参照)に比べ,調査対象者の比率が高い(38.8%)のは,少年院入院者全体の傾向として,短期処遇となる者の比率が低下していることによる(平成16年における中等少年院入院者全体に占める短期処遇の者の比率は35.5%。矯正統計年報による。)。


7-3-1-1表 本件非行名別人員(男女別)
7-3-1-1表 本件非行名別人員(男女別)

7-3-1-2表 少年院の種類別・処遇区分別人員
7-3-1-2表 少年院の種類別・処遇区分別人員

7-3-1-3図は,調査対象者の本件非行時における不良集団関係,薬物の使用状況,保護者状況,教育程度及び就学・就労状況を男女別に見たものである。不良集団関係を見ると,暴力団と関わりのあった者の比率は,女子の方が男子に比べて高く,暴走族と関わりのあった者の比率は,男子の方が女子に比べて高い(7-2-3-8図参照)。薬物の使用状況を見ると,女子は,何らかの薬物を使用していた者の比率が男子に比べて顕著に高く,半数が覚せい剤を使用していた。


7-3-1-3図 本件非行時の生活状況等(男女別)
7-3-1-3図 本件非行時の生活状況等(男女別)

なお,教育程度,就学・就労状況については,それぞれ,高校中退者の比率が高く,学生・生徒の比率が低いという年長少年である少年院入院者の特徴を示している。

調査対象者が本件非行による少年院送致までに受けた保護処分歴を男女別に見ると,7-3-1-4図のとおりである。年長少年である少年院入院者に占める有保護処分歴者の比率は高い(7-2-3-3図参照)が,調査対象者においても有保護処分歴者の比率は高く,男子では約7割,女子では約6割である。


7-3-1-4図 保護処分歴別構成比(男女別)
7-3-1-4図 保護処分歴別構成比(男女別)