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 平成19年版 犯罪白書 第7編/第5章/第2節/2 

2 矯正施設における教科指導

 被収容者が社会復帰する上で,日常生活や職業生活に必要な知識,常識,学力等を向上させることの意義は大きい。矯正施設では,義務教育が未修了である者,又は社会生活の基礎となる学力を欠くために改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる者に対して,教科教育を行っている(第2編第4章第2節3(2)及び第4編第2章第4節2(3)ウ参照)。さらに,学力向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる者に対しては,高等学校教育を施していたところであるが,平成19年度から法務省と文部科学省とが連携し,刑事施設又は少年院内においても,高等学校卒業程度認定試験(旧大検)を実施することとなった。これにより,受験を希望する受刑者又は少年院在院者が,矯正施設内で同認定試験を受験する機会が拡大されたところであるが,これに先立ち,16年度から18年度までの間に矯正施設内においてモデルケースとして56人が受験し,うち科目合格者も含め,55人が合格している(法務省矯正局の資料による。)。