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 平成12年版 犯罪白書 第7編/第5章/第2節 

第2節 非行歴,事件の契機等

 VII-6表は,「少年時代に次のような経験がありますか」との質問について,重複選択で回答を求めた結果を,暴力団への所属の有無別に示したものである。

VII-6表 少年時代の経験

 暴力団関係受刑者は,「薬物使用」,「不良集団への加入」,「親・兄弟への暴力」及び「他の人をいじめたこと」のいずれにおいても,経験があると回答した者の比率が,それ以外の受刑者を5ポイント以上上回っており,とりわけ,「不良集団への加入」に関しては,それ以外の受刑者を,25.8ポイント上回っている。一方,「いじめられたこと」では,逆に,暴力団関係受刑者がそれ以外の受刑者より,11.1ポイント下回っている。
 VII-7表は,「初めて警察に捕まったときは何歳でしたか」との質問に対する回答結果を,年齢層別・暴力団への所属の有無別に示したものである。

VII-7表 初度逮捕時年齢層別人員

 暴力団関係受刑者は,14歳未満の者が24.4%,14・15歳の者が27.6%であり,それ以外の受刑者が,それぞれ17.5%,20.2%であるのに比べて高くなっている。
 VII-8表は,「初めて警察に捕まったときの非行や犯罪は何でしたか」との質問について,重複選択で回答を求めた結果を,暴力団への所属の有無別に示したものである。

VII-8表 初度逮捕時における非行・犯罪

 暴力団関係受刑者においては,「暴力にかかわるもの」と回答した者の比率が,それ以外の受刑者より14.5ポイント高くなっている一方,「お金や物にかかわるもの」と回答した者の比率は,11.8ポイント低くなっている。
 VII-9表は,「受刑前の生活状況・生活程度はどうでしたか」との質問に対する回答結果を,暴力団への所属の有無別に示したものである。「裕福だったと思う」又は「まあ裕福だったと思う」と答えた者は,暴力団関係受刑者では19.9%であるのに対し,それ以外の受刑者は9.9%にとどまっている。逆に,「苦しかったと思う」又は「やや苦しかったと思う」は,暴力団関係受刑者が27.9%であるのに対し,それ以外の受刑者は45.0%となっている。

VII-9表 受刑前における生活状況・生活程度

 VII-10表は,「今回の事件は,だれのために起こしたのですか」との質問に対する回答結果を,暴力団への所属の有無別に示したものである。暴力団関係受刑者では,「組など,所属組織のため」とする者が11.2%と,それ以外の受刑者(0.5%)と比べて高くなっており,また,「自分のため」とする者は,暴力団関係受刑者では75.9%と,それ以外の受刑者(90.4%)と比べて低くなっている。

VII-10表 事件の契機