2 特別調査
(1) 企業活動をめぐる経済犯罪に関する特別調査 法務総合研究所では,法人税法違反,商法違反,証券取引法違反,独占禁止法違反,贈賄,競売入札妨害,商標法違反,著作権法違反及び廃棄物処理法違反のうち,法人の事業活動に関連してじゃっ起された事件についての特別調査を実施した。 この調査の結果,[1]犯罪行為に及んだ者が属する企業について見ると,業種としては建設業が多く,資本金においては比較的小資本の企業が多いが,当該企業の中で大資本の企業の占める構成比は,我が国の全企業の中で大資本の企業が占める構成比を相当上回っていること,[2]犯罪行為に及んだ者について見ると,小資本の企業の場合は,代表取締役等の企業経営者の構成比が高く,大資本の企業の場合は,役員以外の役職者の構成比が高くなっていること,[3]犯罪行為に及んだ個人に対する科刑としては,ほとんどが執行猶予であり,全体を通じた実刑率は6.0%に過ぎないこと,[4]犯罪行為に及んだ者が属する企業に対する罰金額は,法人税法違反,証券取引法違反及び独占禁止法違反を除き,すべて300万円以下であることなどが明らかになった。
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