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 平成12年版 犯罪白書 第6編/第4章/第2節/1 

第2節 企業倒産をめぐる犯罪の処理状況

1 検察庁における処理状況

 VI-21表は,昭和30年,40年,50年及び60年並びに最近5年間の検察庁における強制執行妨害,競売入札妨害及び破産法違反の終局処理人員の推移を見たものである。

VI-21表 強制執行妨害・競売入札妨害・破産法違反の検察庁終局処理人員

 強制執行妨害については,前記のとおり,平成8年以降の最近4年間は,検察庁新規受理人員が30人台から40人台と,それ以前の8年間よりかなり高い数字を示しているが,最近4年間における起訴率は,30%台から40%台で推移している。最近4年間における受理人員は,昭和30年,40年,50年及び60年の各年より少ないが,これら各年における起訴率は,10%前後であり,最近4年間における起訴率は,これよりかなり高くなっている。反面,30年,40年,50年及び60年の各年における起訴猶予率は,70%前後であるのに対し,最近4年間における起訴猶予率は,20%台から40%台で推移している。一方,嫌疑不十分等,起訴猶予以外の理由による不起訴人員が終局処理人員総数に占める比率は,30年,40年,50年及び60年の各年よりはかなり低下しているものの,最近4年間においても20%台から30%台で推移しており,比較的高い数値を示している。
 競売入札妨害については,前記のとおり,平成6年に検察庁新規受理人員が急増した後,受理人員はおおむね増加傾向にあるが,7年以降の最近5年間における処理状況を見ると,起訴率も40%台から50%台の範囲で上昇傾向にあり,逆に起訴猶予率は50%台から30%台の範囲で低下傾向にある。昭和30年,40年,50年及び60年の各年と比較して見ても,全般に,起訴率は上昇し,起訴猶予率は低下している。
 破産法違反については,平成7年から10年の4年間における起訴率は,20%台から30%台で推移し,昭和30年,40年,50年及び60年の各年における起訴率を既に上回っていたが,平成11年における起訴率は,更に上昇して,50.0%に達している。しかし,最近5年間においても,嫌疑不十分等,起訴猶予以外の理由による不起訴人員が終局処理人員総数に占める比率は,平均で約50%に達しており,強制執行妨害における当該比率よりも,更に高くなっている。