前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成12年版 犯罪白書 第5編/第1章/第2節/1 

1 生命・身体の被害

 V-2表は,平成2年以降の10年間について,警察に認知された刑法犯により生命・身体に被害を受けた者の数及びその被害発生率の推移を見たものである。死亡者数は,おおむね減少傾向にあったが,9年から増加し,10年は前年と比べて70人(5.5%)増加したが,11年は16人(1.2%)減少している。

V-2表 生命・身体に被害を受けた犯罪被害者数・被害発生率

 また,重傷者数及び軽傷者数は,地下鉄サリン事件の被害者が計上されている平成7年を除き,3年以降,おおむね横ばいの状態にあったが,9年からは,増加している(罪名別死傷者数については,巻末資料V-1参照。)。
 なお,前記地下鉄サリン事件は,平成7年3月20日,東京都内の地下鉄電車内において,猛毒ガスのサリンの発散により,乗客等11名が死亡し,多数の者が負傷した無差別テロ事件であり,同事件では,オウム真理教関係者が殺人等で起訴されている(オウム真理教関係者に係る一連の事件の裁判の審理及び科刑状況については,第2編第3章第7節参照。)。