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 昭和37年版 犯罪白書 第一編/第二章/二 

二 刑法犯の罪種別の傾向

 刑法犯の一般的傾向を概観するために,刑法犯の検挙人員を概括的に次の四のグループ,すなわち,(1)財産犯罪(窃盗,詐欺,横領,賍物関係,背任)(2)暴力犯罪(殺人,傷害,暴行,脅迫,公務執行妨害,騒擾,強盗,恐喝,毀棄,逮捕監禁,強姦)(3)過失犯罪(過失致死傷)(4)その他 の四種に分け,刑法犯発生件数の最も多かった昭和二三年,最も少なかった昭和二八年,および昭和三一年以降について,刑法犯検挙人員をみると,I-15表のとおりであり,それぞれの犯罪の構成比率の推移をみるために,図解したものがI-7図である。

I-15表 刑法犯主要罪種別検挙人員等(昭和23,28,31〜35年)

I-7図 刑法犯主要罪種別検挙人員(昭和23,28,31〜35年)

 I-7図で明らかなように,最近の犯罪現象における最も大きな特色は,財産犯罪が滅少し,暴力犯罪と過失犯罪が増加していることである。以下,財産犯罪と暴力犯罪の推移について概説することにするが,過失犯罪については,別に第三章特殊犯罪の三交通犯罪の項で述べることとする。