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 昭和59年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節/1 

第6節 少年の更生保護

1 少年の仮釈放

 (1)少年院在院者の仮退院
 地方更生保護委員会の許可決定による仮退院は,少年院在院者が,矯正処遇の最高段階に達し,保護観察に付すことが少年の改善更生のために相当であると認められたとき,又は矯正処遇の最高段階には達していないが,少年自身の努力により成績が向上し,保護観察に付すことが少年の改善更生のために特に必要であると認められたときに許される。
 仮退院の許否状況は,前掲III-42表のとおりであるが,IV-43表は,最近3年間における仮退院者について,一般短期処遇,交通短期処遇及び長期処遇別に見たものである。昭和58年における仮退院者は,総数が4,941人(前年比6.5%増)であり,その内訳は,一般短期処遇が1,654人(同1.0%増),交通短期処遇が252人(同17.8%増),長期処遇が3,035人(同8.9%増)と,いずれも前年に比べて増加している。

IV-43表 少年院仮退院者の処遇区分別人員(昭和56年〜58年)

 (2)不定期刑受刑者の仮出獄
 不定期刑受刑者の仮出獄審理の手続及び仮出獄許可の基準は,定期刑受刑者と同様であるが,仮出獄を許すことができる時期は,刑の短期の3分の1を経過した後とされている。

IV-44表 不定期刑仮出獄の短期経過前・後の許可人員(昭和56年〜58年)

 不定期刑受刑者の仮出獄の許否状況は,前掲III-43表のとおりであるが,仮出獄を許された者について,刑の短期経過前の出所者と短期経過後の出所者の人員を見ると,IV-44表のとおりである。短期経過前に仮出獄した者の割合は,昭和56年が21.8%,57年が23.9%,58年が37.2%と上昇している。