検察・警察・児童相談所では、平成27年10月から、児童が被害者又は参考人である事件について、児童の負担軽減及び児童の供述の信用性確保の観点から、聴取方法等について協議を行い、これら機関のうち代表者が児童から聴取を実施する取組(代表者聴取)を行っている(第2編第2章第1節参照)。代表者聴取に当たっては、いわゆる司法面接的手法を活用しており、心理学的知見に基づき、暗示・誘導の影響を受けやすい児童の供述特性を踏まえ、記憶の汚染を防ぐとともに、二次被害を防止するため、録音・録画下において、被害からできるだけ早い時期に、できるだけ少ない回数で、児童からの自由報告を基本とした聴取を行っている。
司法面接的手法を用いた代表者聴取は、主に、事案を認知した警察等から各検察庁へ連絡することを契機とし、検察・警察・児童相談所が協議して、当該事案の概要、児童や被疑者の属性、児童の現状や精神状況等の必要な情報を収集・把握して共有し、代表者聴取を要すると判断した場合、可能な限り早期に代表者聴取を行うため、聴取の手順・内容等を調整しつつ、聴取の場所・機材の設営等の準備を行っている。実際に児童に対する聴取を行う検察官等の代表者は、司法面接的手法のプロトコル(様々なプロトコルが存在するが、各プロトコルに共通するのは、誘導質問の原則禁止、早期・短時間の面接、ラポール(児童がリラックスして話しやすい関係性)形成の重要性、ピア・レビュー(相互評価)と継続訓練の重要性等である。)を踏まえ、短時間の面接により各機関が聴取すべきと考える事項をまとめて聴取し、その際、代表者以外の者は、別室で聴取状況をモニターで見ながら、必要に応じて代表者に対し、電話等により、あるいは休憩時に直接、補充して質問すべき事項を伝えるなどしている(検察官の取組については、コラム5参照)。
児童を対象とする代表者聴取の実施状況について、実施件数の推移を連携機関別に見ると、7-3-1-2図のとおりである。平成28年度には306件であった実施件数の総数は、令和元年度には2,000件台に達し、以降も増加を続け、5年度は3,386件と、平成28年度の約11.1倍であった。このうち、最も多く実施されていたのは、いずれの年度においても、検察・警察・児童相談所の三者連携による実施であり、全体の6割から7割程度を占め、令和5年度は1,990件と、平成28年度(204件)の約9.8倍であった。
令和5年度における児童(18歳未満)を対象とする代表者聴取の実施状況について、年齢別の実施件数及び犯罪種別の構成比をそれぞれ見ると、7-3-1-3図のとおりである。年齢別では、7歳から11歳までは、それぞれ300件を超えて他の年齢より多く、次いで、5歳、6歳及び12歳から14歳までは、それぞれ200件台、4歳、15歳及び16歳は、それぞれ100件台であった。一方、犯罪種別では、性犯罪が約6割を占めて最も高く、次いで、傷害等が約4割であった。