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令和7年版 犯罪白書 第7編/第2章/第1節/1

第1節 検挙
1 主な統計データ
(1)性犯罪
ア 不同意性交等

不同意性交等について、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-1図<1>のとおりである。認知件数は、平成15年に2,472件に達した後減少傾向にあったが、29年から増加傾向に転じ、令和5年は前年の約1.6倍と大きく増加し、6年は平成7年以降最多であった。検挙率は、12年から17年まで60%台で推移した後上昇傾向にあり、27年から令和3年までは90%台と高水準で推移していたが、5年は70%台に低下した。6年は、検挙件数、検挙人員共に平成7年以降最多であり、検挙率も前年比で9.3pt上昇した。なお、平成29年法律第72号による改正(29年7月施行)により、従来の強制わいせつの処罰対象の一部が強制性交等の処罰対象となり、監護者性交等が新設されるなどしたこと及び令和5年法律第66号による改正(令和5年7月施行)により、強制性交等の構成要件が変更されて不同意性交等となったことに留意が必要である(法改正の詳細については、第1編第1章第2節4項参照)。

イ 不同意わいせつ

不同意わいせつについて、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-1図<2>のとおりである。認知件数は、平成15年の1万29件をピークに減少傾向にあったが、令和3年以降増加し続けており、5年は前年の約1.3倍と大きく増加した。検挙率は、平成14年から16年まで30%台で推移した後上昇傾向にあり、令和2年には90%を超えたが、検挙件数の増加傾向よりも認知件数の増加傾向の方が大きかったことから3年以降は低下し続け、5年には80%を下回った。6年は、検挙件数、検挙人員共に平成7年以降最多であり、検挙率も前年比で4.8pt上昇した。なお、平成29年法律第72号による改正により、前記のとおり、処罰対象の一部が強制性交等の処罰対象となり、監護者わいせつが新設されたこと及び令和5年法律第66号による改正により、強制わいせつの構成要件が変更されて不同意わいせつとなったことに留意が必要である(法改正の詳細については、第1編第1章第2節4項参照)。

7-2-1-1図 性犯罪 認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(罪名別)
7-2-1-1図 性犯罪 認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(罪名別)
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(2)その他の刑法犯
ア 窃盗(乗り物関係)

窃盗(乗り物関係。自動車盗、オートバイ盗、自転車盗、車上ねらい及び部品ねらいをいう。以下この節において同じ。)について、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-2図<1>のとおりである。認知件数は、平成13年の138万9,113件をピークに減少傾向にあり、検挙件数及び検挙人員も7年(それぞれ21万7,896件、5万9,093人)をピークに減少傾向にある。検挙率は、13年に8.3%まで低下した後は、8~15%台で推移している。なお、検挙件数を検挙人員で除した値は、7年以降2.5~3.8で推移している。

イ 暴行

暴行について、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-2図<2>のとおりである。認知件数は、平成12年から18年にかけて大きく増加し3万1,000件台に達した後は高止まり傾向にある。他方、検挙件数及び検挙人員は、7年から11年までそれぞれ4,000件台から5,000件台、5,000人台から6,000人台で推移した後、30年(それぞれ26,212件、26,622人)まで増加傾向にあり、検挙率は15年以降上昇傾向が続き、29年以降は80%台で推移している。なお、検挙件数を検挙人員で除した値は、7年以降0.8~1.0で推移している。

ウ 脅迫

脅迫について、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-2図<3>のとおりである。認知件数は、平成11年以降増加傾向にあり、12年には前年の約2倍の2,047件と大きく増加し、令和5年には平成7年以降最多の4,535件に達した。検挙件数及び検挙人員も12年以降、それぞれ増加傾向にある。検挙率は、11年から15年にかけて認知件数の大幅な増加に伴い大きく低下し、同年に60%を下回ったが、16年から上昇傾向にあり、26年以降は80%台で推移している。なお、検挙件数を検挙人員で除した値は、7年以降0.9~1.2で推移している。

エ 詐欺

詐欺について、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-2図<4>のとおりである。認知件数は、平成14年以降大きく増加し17年に8万5,596件とピークを迎えた後、令和2年に3万468件を記録するまで減少傾向にあったが、3年から再び増加し続けており、6年には平成17年の約7割の水準に達している。検挙率は、7年には90%を超えていたところ、認知件数の増加及び検挙件数の減少に伴い、16年には32.1%まで低下し、その後も認知件数の増減に応じて30~60%台で上昇低下を繰り返していたが、令和6年は30%を下回った。なお、検挙件数を検挙人員で除した値は、平成7年には4.9であったのに対し令和6年は1.8であり、検挙人員一人当たりに換算した検挙件数は減少傾向にある。

オ 器物損壊

器物損壊について、認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(最近30年間)を見ると、7-2-1-2図<5>のとおりである。認知件数は、平成15年の23万743件をピークに減少傾向にあり、検挙件数及び検挙人員もそれぞれ18年(1万3,816件)、19年(6,575人)をピークに減少傾向にある。検挙率は、検挙件数の減少傾向に比べ認知件数の減少傾向が大きいため、22年以降緩やかな上昇傾向にあり、29年以降は10~15%台で推移している。なお、検挙件数を検挙人員で除した値は、7年以降1.6~2.2の間で推移している。

7-2-1-2図 その他の刑法犯 認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(罪名別)
7-2-1-2図 その他の刑法犯 認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移(罪名別)
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(3)個別の犯罪類型
ア 配偶者からの暴力事案等

配偶者からの暴力事案等について、相談等件数・検挙件数の推移(配偶者暴力防止法が施行された平成13年以降)を見ると、7-2-1-3図<1>のとおりである。相談等件数は、14年以降増加傾向にあり、令和6年には9万件を超え最多であるのに対し、検挙件数(配偶者暴力防止法違反(保護命令違反に限る。)の検挙件数並びに配偶者からの暴力事案等に関連する刑法犯及び特別法犯(配偶者暴力防止法違反を除く。)の検挙件数の合計)は、平成27年以降8,000件台から9,000件台で推移している。なお、平成16年法律第64号による配偶者暴力防止法の改正(16年12月施行)、平成19年法律第113号による改正(20年1月施行)、平成25年法律第72号による改正(26年1月施行)及び令和5年法律第30号による改正(令和6年4月全面施行)により、配偶者からの暴力の定義の拡大、保護命令制度の拡充等がなされたことに留意が必要である(近年の法改正の詳細については、第4編第6章第2節参照)。

イ ストーカー事案

ストーカー事案について、相談等件数・検挙件数の推移(ストーカー規制法が施行された平成12年以降)を見ると、7-2-1-3図<2>のとおりである。相談等件数は、13年及び24年にそれぞれ大きく増加し、29年に2万3,079件に達した後は減少傾向にある。検挙件数(ストーカー規制法違反の検挙件数並びにストーカー事案に関連する刑法犯及び特別法犯(ストーカー規制法違反を除く。)の検挙件数の合計)は、13年及び24年にそれぞれ大きく増加した後、26年以降は2,000件台で推移していたが、令和6年は3,000件を超えた。なお、平成25年法律第73号によるストーカー規制法の改正(平成25年10月全面施行)、平成28年法律第102号による改正(29年6月全面施行)及び令和3年法律第45号による改正(令和3年8月全面施行)により、それぞれ規制対象行為が拡大されたことに留意が必要である。

7-2-1-3図 個別の犯罪類型 相談等件数・検挙件数の推移(犯罪類型別)
7-2-1-3図 個別の犯罪類型 相談等件数・検挙件数の推移(犯罪類型別)
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