ストーカー規制法は、ストーカー行為(同一の者に対し、恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、恋愛感情等の対象者又はその配偶者等に対し、同法に規定された「つきまとい等」又は「位置情報無承諾取得等」を反復してすること)を処罰するなどストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めている。
警察署長等は、警告を求める旨の申出を受けた場合に、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして相手方に不安を覚えさせる行為があり、かつ、更に反復のおそれがあると認めるときには、当該行為をした者に対し、更に反復して当該行為をしてはならない旨を警告することができる。また、都道府県公安委員会は、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして相手方に不安を覚えさせる行為があり、更に反復のおそれがあると認めるときには、その相手方の申出により、又は職権で、更に反復して当該行為をしてはならないこと等を命じる禁止命令等をすることができる。都道府県公安委員会が禁止命令等をする場合、原則として、聴聞を行う必要があるが、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等の相手方の身体の安全等が著しく害されることを防止するために緊急の必要があると認めるときは、事前の聴聞又は弁明の機会の付与を行わないで、禁止命令等をすることができる(緊急禁止命令等)。
ストーカー規制法による警告等の件数の推移(最近20年間)は、4-6-3-1図のとおりである。警告の件数は、平成29年から減少傾向にあり、令和6年は1,479件(前年比3.6%減)であった。禁止命令等の件数は、平成28年法律第102号による改正により、警告がなくても禁止命令等をすることができるようになったことなどから、29年から急増し、令和6年は2,415件(同23.0%増。うち緊急禁止命令等は1,466件)と、ストーカー規制法施行後最多であった。
ストーカー規制法違反として、ストーカー行為又は禁止命令等違反行為が処罰対象であるほか、ストーカー行為をしている者による行為が殺人、傷害等の刑法その他の法律上の犯罪に該当する場合は、それらによっても処罰されることになる。ストーカー事案の検挙件数の推移(最近20年間)を罪名別に見ると、4-6-3-2図のとおりである。ストーカー規制法違反の検挙件数は、平成24年から増加傾向にあり、令和6年は1,341件(前年比24.1%増)で、著しく増加した平成24年の前年である23年の約6.5倍であった。また、刑法等の他法令による検挙件数の総数も、24年に著しく増加し、同年以降は1,490件台から1,910件台で推移しており、令和6年は1,743件(同2.0%増)で、同様に平成23年と比べると約2.2倍であった。なお、令和2年以降は、その他の検挙件数が増加しているところ、その内訳を見ると、特に、不同意性交等及び不同意わいせつが大きく増加しており、6年の検挙件数は、それぞれ63件(2年の約2.3倍)及び107件(同約1.9倍)であった。
なお、令和6年におけるストーカー事案に関する相談等件数(ストーカー規制法その他の刑罰法令に抵触しないものも含む。)は、1万9,567件(前年比1.4%減)であり、被害者と加害者の関係別に見ると、交際相手(元交際相手を含む。)が7,258件(37.1%)と最も多く、次いで、知人・友人2,623件(13.4%)、勤務先同僚・職場関係2,459件(12.6%)、関係(行為者)不明2,102件(10.7%)、面識なし1,722件(8.8%)、その他(芸能人とファン、医者と患者、従業員と客、近隣住民等)1,681件(8.6%)、配偶者(内縁関係及び元配偶者を含む。)1,333件(6.8%)、密接関係者(恋愛感情等の対象となった者と社会生活において密接な関係を有する者(家族、友人等))389件(2.0%)の順であった(警察庁生活安全局の資料による。)。ストーカー事案に関する相談等件数の推移については、7-2-1-3図<2>、7-2-1-6図<2>及び7-2-1-9図<2>参照。