保護観察付全部・一部執行猶予者は、執行猶予の期間中、保護観察に付される。また、受刑者は、地方更生保護委員会の決定により、刑期の満了前に仮釈放が許されることがあるが、仮釈放者は、仮釈放の期間中、保護観察に付される。保護観察付一部執行猶予者が仮釈放された場合は、仮釈放期間中の保護観察が終了した後、執行猶予期間中の保護観察が開始される。保護観察に付された者は、保護観察所の保護観察官及び民間のボランティアである保護司の指導監督・補導援護を受ける。
犯罪をした者及び非行のある少年に対する更生保護における処遇は、更生保護法に基づいて行われている。
令和4年6月、刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)が成立し(本編第1章1項(1)参照)、更生保護法(平成19年法律第88号)及び更生保護事業法(平成7年法律第86号)の一部改正が行われた。このうち、更生保護法については、5年12月、<1>保護観察対象者が守らなければならない遵守事項(本章第3節参照)のうち、個々の保護観察対象者ごとに定められる特別遵守事項の類型に、更生保護事業を営む者等が行う特定の犯罪的傾向を改善するための専門的援助(本章第3節2項(12)参照)を受けることを追加すること、<2>保護観察対象者が被害の回復・軽減に努めるよう必要な指示等の措置をとることを指導監督(本章第3節参照)の方法に明記すること、<3>更生緊急保護(本章第4節参照)について、対象の拡大、期間延長等により充実させること、<4>勾留中の被疑者に対し、その同意を得て、必要な生活環境の調整を行うことができることとすること、<5>刑執行終了者等に対し、その意思に反しないことを確認した上で、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報提供や助言等の援助を行うことができることとすること、<6>地域社会における犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生並びに犯罪の予防に寄与するため、地域住民や関係機関・団体からの相談に応じ、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報提供や助言等の援助を行うものとすることなどの改正部分が施行された。そして、7年6月、前記一部改正の他の部分が施行され、再度の刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、再び保護観察に付された者(以下この項において「再保護観察付執行猶予者」という。)については、保護観察期間中に犯罪をしたことを踏まえ、当該犯罪に結び付いた要因の的確な把握に留意して保護観察を実施しなければならないこととされたことに加え、再度の保護観察の開始に際し、当該要因を的確に把握するため、原則として、少年鑑別所の長に対し、再保護観察付執行猶予者の鑑別を求めることとされた。更生保護事業法については、5年12月、更生保護事業の枠組み等を整理する改正部分が施行され、同事業のうち、宿泊を伴わない一時保護事業に関して、その名称を通所・訪問型保護事業に改めた上で、特定の犯罪的傾向を改善するための専門的援助や生活指導等の継続的な保護を実施できることとされた。