入所受刑者の人員及び年齢層別構成比の推移(最近20年間)を男女別に見ると、7-3-3-1図のとおりである。女性入所受刑者の人員は、平成18年の2,333人をピークに翌年からおおむね横ばいで推移した後、28年からは減少傾向にあり、令和5年は1,486人(前年比68人(4.4%)減)であった。他方、男性入所受刑者の人員は、平成18年の3万699人をピークに翌年から減少しており、令和5年は1万2,599人(前年比307人(2.4%)減)であった。入所受刑者の年齢層別構成比について見ると、女性入所受刑者では、30歳未満の構成比は平成16年以降低下傾向にあり、令和元年以降は9~11%台と低い傾向にある。また、30~39歳の構成比も平成16年以降低下傾向が続いている。これに対し、65歳以上の構成比は同年には5.4%であったところ、翌年以降上昇傾向が続いており、令和5年は22.7%と、平成16年の約4.2倍であった。50~59歳の構成比は平成16年以降低下傾向にあったが、25年からは上昇傾向にあり、令和5年は22.3%と、平成16年の約1.4倍であった。なお、令和5年における65歳以上の構成比は30歳未満の構成比の約2.4倍であった。他方、男性入所受刑者では、30歳未満の構成比は平成16年以降低下傾向にあったが、令和2年以降は緩やかな上昇が続いており、5年は17.9%であった。30~39歳の構成比は平成16年以降低下傾向が続いており、令和5年は19.1%であった。50~59歳の構成比は平成26年以降緩やかな上昇が続いており、令和5年は20.5%であった。65歳以上の構成比を見ると、平成16年には4.1%であったところ、翌年以降上昇傾向が続いており、令和5年は13.3%と、平成16年の約3.2倍であった。同年以降、女性入所受刑者の65歳以上の構成比は男性入所受刑者よりも一貫して高い。
入所受刑者の罪名別人員の推移(最近20年間)を男女別に見ると、7-3-3-2図のとおりである。入所受刑者総数に占める窃盗及び覚醒剤取締法違反の人員の合計の割合は、女性入所受刑者では、平成16年以降一貫して6割を超えており、特に23年以降、その割合は8割前後であるのに対し、男性入所受刑者では、16年以降一貫して6割未満にとどまっている。女性入所受刑者では、16年から23年まで覚醒剤取締法違反の人員が最も多かったものの、24年以降、窃盗の人員が覚醒剤取締法違反の人員を上回っており、女性入所受刑者総数のうち窃盗が4~5割、覚醒剤取締法違反が2~4割程度を占めている。男性入所受刑者では、平成16年以降、一貫して窃盗の人員が覚醒剤取締法違反の人員を上回っている。なお、令和5年の窃盗及び覚醒剤取締法違反以外の罪名について見ると、女性入所受刑者では、詐欺(6.7%)、道路交通法違反(2.6%)、殺人(1.5%)の順に構成比が高く、男性入所受刑者では、詐欺(10.1%)、道路交通法違反(5.6%)、傷害(4.0%)の順であった(令和5年における入所受刑者の罪名別構成比(男女別)については、2-4-2-5図参照)。
入所受刑者の入所度数別構成比の推移(最近20年間)を男女別に見ると、7-3-3-3図のとおりである。女性入所受刑者では、「1度」の構成比は平成16年以降低下しているものの、27年からは50~53%台で推移しており、令和5年は52.0%と、なお全体の半分以上を占めている。一方、「2~3度」、「4~5度」及び「6~9度」の各構成比は平成16年以降いずれも上昇傾向にあり、令和5年はそれぞれ28.9%、12.4%、5.9%であった。男性入所受刑者では、「1度」の構成比は平成17年以降50%を下回っており、令和5年は44.2%であった。一方、「4~5度」の構成比は平成16年以降24年までは上昇傾向にあったが、25年以降令和4年までは14~15%台で推移しており、5年は13.1%であった。「6~9度」の構成比は平成16年以降上昇傾向にあり、令和5年は12.7%であった。平成16年以降、男性入所受刑者の「4~5度」、「6~9度」及び「10度以上」の構成比は、いずれも女性入所受刑者よりも一貫して高かった。
入所受刑者(懲役)の刑期別構成比の推移(最近20年間)を男女別に見ると、7-3-3-4図のとおりである。女性入所受刑者では、「1年以下」の構成比は、平成16年には15.5%であったところ、翌年以降上昇傾向にあり、令和5年は27.3%であった。「2年以下」の構成比は、平成16年から24年までは41~46%台で推移し、25年の47.2%をピークにその後は低下傾向にあり、令和5年は37.9%であった。平成16年以降、「3年以下」の構成比は、20~25%台で上昇低下を繰り返しながら推移し、「5年以下」の構成比は、低下傾向にあり、「5年を超える」の構成比は、上昇低下を繰り返しながら推移している。一方、男性入所受刑者では、同年以降、「1年以下」の構成比は19~22%台、「2年以下」の構成比は32~37%台、「5年以下」の構成比は11~15%台、「5年を超える」の構成比は5~7%台で、いずれも上昇低下を繰り返しながら推移する一方、「3年以下」の構成比は上昇傾向にあったが、29年の25.9%をピークにその後は高止まりの状況にある。女性入所受刑者の「1年以下」の構成比は、26年以降、「2年以下」の構成比は、16年以降、男性入所受刑者よりも一貫して高い。女性入所受刑者は、令和5年の「1年以下」及び「2年以下」の構成比の合計が全体の6割以上を占めているのに対し、男性入所受刑者は6割を下回っている。女性入所受刑者の「3年以下」の構成比は、平成23年以降、「5年以下」の構成比は、16年以降、一貫して男性入所受刑者よりも低く、女性入所受刑者の「5年を超える」の構成比は、同年以降、男性入所受刑者よりも総じて低い傾向にある。
入所受刑者の就労状況別人員及び有職者率(入所受刑者中の犯行時における有職者及び無職者人員の合計に占める有職者人員の比率をいう。以下この項において同じ。)の推移(最近20年間)を男女別に見ると、7-3-3-5図のとおりである。有職者率について見ると、平成16年以降、女性入所受刑者は男性入所受刑者よりも一貫して低い水準で推移している。女性入所受刑者の有職者率は、同年以降23年までは低下傾向にあったが、24年以降は17~18%台の横ばいで推移している。男性入所受刑者の有職者率は、平成19年に35.9%とピークを迎えた後、21年からは31~33%台の横ばいで推移している。
入所受刑者の婚姻状況別構成比の推移(最近20年間)を男女別に見ると、7-3-3-6図のとおりである。平成16年以降、女性入所受刑者の「未婚」の構成比は18~26%台、男性入所受刑者の「未婚」の構成比は41~45%台で推移しており、女性入所受刑者の「未婚」の構成比は、男性入所受刑者よりも一貫して低い。一方、女性入所受刑者の「有配偶」の構成比は30~39%台、男性入所受刑者の「有配偶」の構成比は16~22%台でいずれも低下傾向にあり、女性入所受刑者の「有配偶」の構成比は、男性入所受刑者よりも一貫して高い。女性入所受刑者の「死別」の構成比は4~8%台で上昇傾向にあるのに対し、男性入所受刑者の「死別」の構成比は1%台で推移しており、女性入所受刑者の「死別」の構成比は、男性入所受刑者よりも一貫して高い。「離別」の構成比は、女性入所受刑者は34~41%台、男性入所受刑者は32~39%台で推移しており、両者に大きな差は見られない。