令和5年における特別法犯の主な統計データは、次のとおりである。
検察庁新規受理人員 | (構成比) | (前年比) | |
<1> 道路交通法違反 | 212,310人 | (71.4%) | (+17,520人、+9.0%) |
<2> 覚醒剤取締法違反 | 9,683人 | (3.3%) | (-181人、-1.8%) |
<3> 大麻取締法違反 | 9,395人 | (3.2%) | (+1,628人、+21.0%) |
<4> 軽犯罪法違反 | 7,327人 | (2.5%) | (-224人、-3.0%) |
<5> 入管法違反 | 6,736人 | (2.3%) | (+2,041人、+43.5%) |
<6> 廃棄物処理法違反 | 6,384人 | (2.1%) | (-468人、-6.8%) |
<7> 銃刀法違反 | 5,229人 | (1.8%) | (-237人、-4.3%) |
<8> 犯罪収益移転防止法違反 | 3,078人 | (1.0%) | (+203人、+7.1%) |
<9> 児童買春・児童ポルノ禁止法違反 | 2,969人 | (1.0%) | (-180人、-5.7%) |
<10> 自動車損害賠償保障法違反 | 2,670人 | (0.9%) | (+52人、+2.0%) |
その他 | 31,726人 | (10.7%) | |
総数 | 297,507人 | (100.0%) | (+21,567人、+7.8%) |
【平成16年 総数】 | 【平成16年比】 | ||
893,258人 | [-595,751人、-66.7%] |
注 検察統計年報による。
特別法犯の検察庁新規受理人員の推移(昭和24年以降)は、1-2-1-1図のとおりである(罪名別の人員については、CD-ROM資料1-4参照)。その人員は、特別法犯全体では、43年に交通反則通告制度が施行されたことにより大幅に減少した後、50年代は200万人台で推移していたが、62年に同制度の適用範囲が拡大された結果、再び大幅に減少した。その後は減少傾向にあり、平成18年からは昭和24年以降における最少を記録し続けていたが、令和5年は増加した。他方、道交違反を除く特別法犯では、平成20年から緩やかな減少傾向にあったが、令和5年は8万4,331人(前年比4,080人(5.1%)増)であった(CD-ROM参照)。
令和5年における道交違反を除く特別法犯の検察庁新規受理人員の罪名別構成比は、1-2-1-2図のとおりである。
なお、参考として、その他の条例違反に関し、各都道府県が「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」等の名称で制定している、いわゆる迷惑防止条例について、その中で禁止されている行為のうち痴漢事犯と盗撮事犯に着目し、その検挙件数を見る。
電車内等におけるいわゆる痴漢事犯は、迷惑防止条例に違反する痴漢行為や不同意わいせつ等として検挙される。迷惑防止条例違反に該当する痴漢行為の検挙件数(電車内以外で行われたものを含む。)は、平成27年以降2,700~3,200件台で推移していたところ、令和2年(1,915件)に大きく減少(前年比874件(31.3%)減)したが、4年からは再び2,200件台まで増加し、5年は2,254件(同21件(0.9%)増)であった(警察庁生活安全局の資料による。)。
また、迷惑防止条例違反に該当する盗撮事犯の検挙件数は、令和2年は4,000件台、3年からは5,000件台と、増加傾向にあったところ、5年は5,730件(前年比7件減)であった(警察庁生活安全局の資料による。)。なお、5年7月に施行された性的姿態撮影等処罰法により、性的姿態等撮影罪が規定された点には留意が必要である(本編第1章第2節2項及び第2編第1章1項(3)参照)。