少年による刑法犯及び特別法犯の検挙人員総数の推移(最近30年間)を見ると、7-4-1-1図のとおりである。少年による刑法犯及び特別法犯の検挙人員総数は、平成10年(16万6,753人)をピークに減少傾向が続いており、令和4年(1万9,526人)は平成10年と比較して大きく減少している(同年比88.3%減)。
少年による刑法犯及び特別法犯のうち、7-2-1表において取り上げた18罪名について、検挙人員及び構成比(少年による刑法犯及び特別法犯の検挙人員総数に占める各罪名の検挙人員の比率をいう。以下この項において同じ。)の推移(最近30年間)を罪名別に見ると、7-4-1-2図のとおりである。罪名別では、殺人、放火、強制性交等、暴行、傷害、恐喝、窃盗、毒劇法違反及び覚醒剤取締法違反の9罪名は平成5年から14年の間に、強盗、詐欺、横領、住居侵入、器物損壊及び軽犯罪法違反の6罪名は15年から24年の間に、強制わいせつ、大麻取締法違反及び児童買春・児童ポルノ禁止法違反の3罪名は25年から令和4年の間に、それぞれ最多を記録しており、罪名によって検挙人員のピークとなった時期が異なっており、傾向に違いが認められる。同年の検挙人員を少年による刑法犯及び特別法犯の検挙人員総数がピークであった平成10年の検挙人員と比較すると、強制わいせつ、詐欺、大麻取締法違反及び軽犯罪法違反は、いずれも令和4年は平成10年と比較して増加している(それぞれ同年比4.0%増、同5.3%増、同607.2%増、同15.9%増)。なお、令和4年における児童買春・児童ポルノ禁止法違反の検挙人員も同法が施行された平成11年の翌年である12年と比較して著しく増加している(同年比2331.6%増)が、例えば、平成26年法律第79号による同法改正では、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノ所持が新たに処罰の対象となるなど、その間の法改正により処罰範囲が大幅に拡大されていることに留意が必要である。
罪名別の構成比の推移を見ると、窃盗が一貫して最も高いものの、平成22年以降は低下傾向にあり、令和4年は平成10年と比較して大きく低下している(同年比21.4pt低下)。窃盗以外では、恐喝、横領、毒劇法違反及び覚醒剤取締法違反は、令和4年は平成10年と比較して低下している(それぞれ同年比2.2pt低下、同14.0pt低下、同3.4pt低下、同0.1pt低下)のに対し、残りの12罪名(児童買春・児童ポルノ禁止法違反を除く)は、令和4年は平成10年と比較して上昇しており、大麻取締法違反(同4.4pt上昇)の構成比が最も大きく上昇した。