8-4-4-11図 犯罪者 人々が犯罪・非行に走る原因（初入者・再入者別）
人々が犯罪や非行に走る原因に対する意識を犯罪の進度別に見ると、8-4-4-11図のとおりである。対象者全体では、「自分自身」（78.7％）の構成比が最も高く、次いで、「友達・仲間」（11.2％）、「家族（親）」（5.2％）、「その他」（4.8％）の順であった。犯罪の進度別では、初入者は、「自分自身」（79.9％）が最も高く、次いで、「友達・仲間」（11.4％）、「その他」（4.7％）、「家族（親）」（4.0％）の順であり、再入者は、「自分自身」（77.5％）が最も高く、次いで、「友達・仲間」（11.8％）、「家族（親）」（5.7％）、「その他」（5.0％）の順であった。
対象者のうち、保護処分歴又は罰金以上の刑事処分歴を有すると回答した者について、自らが再犯・再非行に及んだ要因に関する項目の該当率を犯罪の進度別に見ると、8-4-4-12図のとおりである。対象者全体では、「自分の感情や考え方をうまくコントロールできなかったこと」（49.1％）の該当率が最も高く、次いで、「自分が非行や犯罪をする原因が分かっていたが、対処できなかったこと」（40.4％）、「処分を軽く考えていたこと」（28.7％）の順であった。犯罪の進度別では、初入者は、「自分の感情や考え方をうまくコントロールできなかったこと」（50.4％）が最も高く、次いで、「処分を軽く考えていたこと」（35.7％）、「自分が非行や犯罪をする原因が分かっていたが、対処できなかったこと」（35.4％）の順であり、再入者は、「自分の感情や考え方をうまくコントロールできなかったこと」（48.7％）が最も高く、次いで、「自分が非行や犯罪をする原因が分かっていたが、対処できなかったこと」（43.7％）、「処分を軽く考えていたこと」及び「困ったときの相談相手や援助してくれる人が周りにいなかったこと」（それぞれ24.5％）の順であった。なお、刑事施設への入所度数なしの保護観察対象者（20歳以上の者）は、初入者及び再入者と比較して「困ったときの相談相手や援助してくれる人が周りにいなかったこと」（33.3％）が顕著に高かった（CD-ROM参照）。
法律で禁じられているような「悪い」ことをしようと思ったときに、それを思いとどまらせる心のブレーキとなるものを犯罪の進度別に見ると、8-4-4-13図のとおりである。対象者全体では、「父母のこと」（20.0％）の構成比が最も高く、次いで、「子のこと」（17.4％）、「配偶者のこと」（13.5％）の順であった。犯罪の進度別では、初入者は、「父母のこと」（21.0％）が最も高く、次いで、「子のこと」（19.6％）、「兄弟姉妹を含めた家族のこと」（14.8％）の順であり、再入者は、「父母のこと」（18.4％）が最も高く、次いで、「配偶者のこと」（15.9％）、「子のこと」（15.2％）の順であった。
これからの生活で大切なものに関する項目の該当率を犯罪の進度別に見ると、8-4-4-14図のとおりである。対象者全体では、「規則正しい生活をおくる」（73.1％）が最も高く、次いで、「お金のむだ使いをしない」（61.0％）、「健全な趣味や遊びをする」（47.0％）の順であった。犯罪の進度別では、初入者は、「規則正しい生活をおくる」（72.4％）が最も高く、次いで、「お金のむだ使いをしない」（60.3％）、「家族と仲良くやっていく」（50.1％）の順であり、再入者は、「規則正しい生活をおくる」（73.3％）が最も高く、次いで、「お金のむだ使いをしない」（61.0％）、「健全な趣味や遊びをする」（44.0％）の順であった。「被害者のために何かお詫びをする」を見ると、初入者（33.5％）が再入者（12.5％）より顕著に高かった。なお、刑事施設への入所度数なしの保護観察対象者（20歳以上の者）は、初入者及び再入者と比較して「保護観察官・保護司とよく相談する」（63.0％）が顕著に高かった（CD-ROM参照）。
