人々が犯罪・非行に走る原因に対する意識を対象者の年齢層別に見ると、8-4-2-11図のとおりである。対象者全体では、「自分自身」(75.3%)の構成比が最も高く、次いで、「友達・仲間」(14.2%)、「家族(親)」(5.6%)の順であった。年齢層別では、年少少年は、「家族(親)」(10.8%)の構成比が顕著に高かった。中間少年は、「自分自身」(58.1%)の構成比が顕著に低く、「友達・仲間」(29.9%)の構成比が顕著に高かった。年長少年は、「自分自身」(70.3%)の構成比がやや低く、「友達・仲間」(18.8%)の構成比がやや高かった。50~64歳の者と65歳以上の者は、「自分自身」の構成比(それぞれ82.5%、85.2%)がやや高かった。「その他」とした者の具体的な記述を見ると、「育ってきた環境」や「社会の仕組み」など環境や社会を原因として挙げる者や「全て当てはまると思う」など「自分自身」、「家族(親)」及び「友達・仲間」の全てを原因として挙げる者が多く、年齢層ごとに大きな差は見られなかった。
対象者のうち、保護処分歴(児童自立支援施設・児童養護施設送致歴のみを有する者を除く。以下この章において同じ。)又は罰金以上の刑事処分歴を有すると回答した者について、自らが再犯・再非行に及んだ要因に関する項目の該当率を年齢層別に見ると、8-4-2-12図のとおりである。対象者全体では、「自分の感情や考え方をうまくコントロールできなかったこと」(49.0%)の該当率が最も高く、次いで、「自分が非行や犯罪をする原因が分かっていたが、対処できなかったこと」(39.3%)、「処分を軽く考えていたこと」(27.9%)の順であった。少年と20歳以上の者を比べると、少年の「処分を軽く考えていたこと」の該当率は、20歳以上の者より低かった。
法律で禁じられているような「悪い」ことをしようと思ったときに、それを思いとどまらせる心のブレーキとなるものを対象者の年齢層別に見ると、8-4-2-13図のとおりである。対象者全体では、「父母のこと」(26.7%)の構成比が最も高く、次いで「兄弟姉妹を含めた家族のこと」(14.4%)、「子のこと」(12.9%)の順であった。年齢層別では、年少少年(33.3%)、中間少年(48.1%)及び年長少年(40.7%)は、「父母のこと」の構成比が顕著に高く、30歳以上の年齢層は、「配偶者のこと」や「子のこと」の構成比が顕著に高かった。また、「警察につかまること」の構成比は、年少少年(29.2%)が最も高く、年長少年(5.2%)が最も低かった。
これからの生活で大切なものに関する項目の該当率を年齢層別に見ると、8-4-2-14図のとおりである。対象者全体では、「規則正しい生活をおくる」(73.9%)が最も高く、次いで「お金のむだ使いをしない」(60.9%)、「健全な趣味や遊びをする」(51.0%)の順であった。年齢層別で見ると、全ての年齢層において、「規則正しい生活をおくる」の該当率が最も高く、「健全な趣味や遊びをする」、「悪い友達や先輩とはつき合わない」、「保護観察官・保護司とよく相談する」、「親の言うことをきく」、「被害者のために何かお詫びをする」などの項目については、若年層の該当率が高かった。