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令和4年版 犯罪白書 第8編/第3章/第3節/1

第3節 矯正
1 刑事施設

8-3-3-1図は、入所受刑者の年齢層別構成比の推移(最近20年間)を見たものである。平成23年までは30歳代の者、24年から令和元年までは40歳代の者、2年以降は50~64歳の者の構成比が、それぞれ最も高くなっている(CD-ROM参照)。50~64歳の者の構成比を除き、低下又は上昇のいずれかの傾向が見られる。まず、低下傾向のものを見ると、30歳未満の者の構成比が、平成26年まで一貫して低下した後、その翌年以降は14~15%台で推移している。また、30歳代の者の構成比が、19年まで30%前後で推移した後、その翌年以降は低下し続け、令和3年は19.4%であった。次に、上昇傾向のものを見ると、65歳以上の者の構成比が、顕著な上昇傾向にあり、同年は13.8%(平成14年の約3.8倍)と最高を記録した。また、40歳代の者の構成比が、29年(27.5%)まで上昇傾向を示した後、30年以降は25%前後で推移している。

8-3-3-1図 入所受刑者の年齢層別構成比の推移
8-3-3-1図 入所受刑者の年齢層別構成比の推移
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8-3-3-2図は、入所受刑者の犯罪類型別構成比の推移(最近20年間)を見たものである。窃盗事犯類型の構成比が一貫して最も高く(令和3年は35.5%)、次いで、薬物事犯類型(同25.5%)の順であった。重大事犯類型及び粗暴犯類型は、平成14年と比べてそれぞれ低下傾向にあるのに対し、窃盗事犯類型は上昇傾向にあった。他の犯罪類型の構成比を見ると、詐欺事犯類型は7~10%台、性犯類型は2~3%台、薬物事犯類型は19~28%台、交通事犯類型は5~7%台でそれぞれ推移している。

8-3-3-2図 入所受刑者の犯罪類型別構成比の推移
8-3-3-2図 入所受刑者の犯罪類型別構成比の推移
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8-3-3-3図は、入所受刑者の入所度数別構成比の推移(最近20年間)を見たものである。初入者の構成比が一貫して最も高いが、平成15年(51.9%)をピークに、その翌年から低下傾向にあり、22年以降は40~43%台で推移している。2度の者の構成比は、15~18%台で推移している。3度、4度及び5度以上の者の構成比は、それぞれ上昇傾向にあり、3度以上の者の合計人員の構成比は、26年以降令和2年まで、初入者の構成比を上回っていたが、3年は、初入者の構成比が43.0%であり、3度以上の者の構成比が41.8%であった。

8-3-3-3図 入所受刑者の入所度数別構成比の推移
8-3-3-3図 入所受刑者の入所度数別構成比の推移
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8-3-3-4図は、令和3年における入所受刑者の居住状況(犯行時の居住状況による。以下この項において同じ。)別構成比について、年齢層別・犯罪類型別に見たものである。年齢層別では、住居不定の構成比は、いずれの年齢層においても17%前後であった。犯罪類型別では、住居不定の構成比は、詐欺事犯類型(27.5%)が最も高く、次いで、窃盗事犯類型(23.4%)、重大事犯類型(21.2%)の順であり、交通事犯類型(3.9%)が最も低かった。

8-3-3-4図 入所受刑者の居住状況別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
8-3-3-4図 入所受刑者の居住状況別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
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8-3-3-5図は、令和3年における入所受刑者の就労状況(犯行時の就労状況による。以下この項において同じ。)別構成比について、年齢層別・犯罪類型別に見たものである。年齢層別では、年齢層が上がるにつれて無職の構成比が高くなる傾向にあり、65歳以上の者では84.5%であった。犯罪類型別では、無職の構成比は、窃盗事犯類型(80.1%)が最も高く、交通事犯類型(41.7%)が最も低かった。

8-3-3-5図 入所受刑者の就労状況別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
8-3-3-5図 入所受刑者の就労状況別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
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8-3-3-6図は、令和3年における出所受刑者の帰住先別構成比について、年齢層別・犯罪類型別に見たものである。年齢層別では、年齢層が上がるにつれて、父・母の構成比が低くなる一方、社会福祉施設、更生保護施設等及びその他の構成比が高くなる傾向にあった。総数では、父・母の構成比(25.9%)が最も高く、次いで、更生保護施設等(23.9%)、配偶者(8.7%)、知人(8.2%)の順であったが、帰住先別に最も多い犯罪類型を見ると、父・母は性犯類型(45.0%)が、更生保護施設等は窃盗事犯類型(32.8%)が、配偶者は交通事犯類型(19.6%)が、知人は薬物事犯類型(12.2%)が、それぞれ最も高かった。

8-3-3-6図 出所受刑者の帰住先別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
8-3-3-6図 出所受刑者の帰住先別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
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8-3-3-7図は、令和3年の入所受刑者のうち、再入者の再犯期間(前回の刑の執行を受けて出所した日から再入に係る罪を犯した日までの期間をいう。)別の構成比について、犯罪類型別に見たものである。1年未満の者の構成比は、窃盗事犯類型(39.8%)が最も高く、次いで、詐欺事犯者(39.1%)、粗暴犯類型(32.7%)の順であった。他方、5年以上の者の構成比は、重大事犯類型(28.0%)が最も高く、次いで、交通事犯類型(26.1%)、性犯類型(21.4%)の順であった。

8-3-3-7図 再入者の再犯期間別構成比(犯罪類型別)
8-3-3-7図 再入者の再犯期間別構成比(犯罪類型別)
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