前の項目 次の項目       目次 図表目次 年版選択

令和4年版 犯罪白書 第8編/第3章/第2節/1

第2節 検察・裁判
1 検察
(1)検察庁既済事件の被疑者人員

8-3-2-1表は、令和3年における検察庁既済事件の被疑者人員を犯罪・非行類型(交通事犯類型を除く。以下この項において同じ。)別及び年齢層別に見たものである。いずれの年齢層でも、その他を除き窃盗事犯類型の構成比が最も高いが、年少少年や中間少年は、窃盗事犯類型の構成比が約半分を占め、他の非行類型と大きな差がある一方、20歳代の者、30歳代の者、40歳代の者及び50~64歳の者は、窃盗事犯類型の構成比がいずれも4分の1程度であり、次いで構成比が高い粗暴犯類型と大きな差がなかった。

8-3-2-1表 検察庁既済事件の被疑者人員(犯罪・非行類型別、年齢層別)
8-3-2-1表 検察庁既済事件の被疑者人員(犯罪・非行類型別、年齢層別)
Excel形式のファイルはこちら
(2)起訴人員の推移

8-3-2-2図は、検察庁における起訴人員の推移(最近20年間)を年齢層別(犯行時の年齢による。以下この項において同じ。)、犯罪類型別(犯行時に少年であったものを含む。以下この項において同じ。)に見たものである。20歳以上の者の各年齢層を見ると、65歳以上の者を除いた各年齢層の起訴人員は、いずれも平成16年から18年をピークとしてその後はおおむね減少傾向を示しているが、20歳代の者については、25年(2万9,075人)に3万人を下回った後は減少傾向から離れ、2万7,000人台から2万8,000人台で推移している。65歳以上の者の起訴人員は、14年から27年まで増加傾向を示した後、その翌年以降はほぼ横ばいで推移している。また、各年齢層における起訴人員の人口比を見ても、65歳以上の者を除いた各年齢層は、16年から19年をピークとして低下傾向を示しているが、65歳以上の者の起訴人員の人口比は、14年以降上昇傾向を示し、19年(39.7)以降は30台後半から40強の間でほぼ横ばいで推移しており、令和3年は35.3であった(8-3-2-2図CD-ROM参照)。

犯罪類型別に起訴人員を見ると、いずれの犯罪類型についても、平成14年ないし18年以降減少傾向を示しているが、令和3年は詐欺事犯類型が増加した(前年比25.4%増)。

8-3-2-2図 起訴人員の推移(年齢層別、犯罪類型別)
8-3-2-2図 起訴人員の推移(年齢層別、犯罪類型別)
Excel形式のファイルはこちら
(3)起訴・起訴猶予別構成比

8-3-2-3図は、令和3年における検察庁の終局処理人員について、起訴・起訴猶予別構成比を犯行時の年齢層別及び犯罪類型別に見たものである。

年齢層別のうち、犯行時に20歳以上の者の起訴猶予の構成比を見ると、65歳以上の者のみが6割を超え、それ以外は、いずれの年齢層でも、40%台後半から50%強の間であった。

犯罪類型別に起訴猶予の比率を見ると、重大事犯類型(20.3%)及び薬物事犯類型(17.3%)が2割前後と低かった。

8-3-2-3図 起訴・起訴猶予別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
8-3-2-3図 起訴・起訴猶予別構成比(年齢層別、犯罪類型別)
Excel形式のファイルはこちら