高齢の仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者について、保護観察開始人員及び高齢者率（保護観察開始人員に占める高齢者の比率をいう。以下この項において同じ。）の推移（最近20年間）を見ると、4-8-2-4図のとおりである（仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者のうち、一部執行猶予者の人員の動向については、CD-ROM参照）。

仮釈放者では、高齢者の保護観察開始人員及び高齢者率は増加・上昇傾向にある。令和3年の高齢者の保護観察開始人員は、平成14年と比べて約2.7倍に増加し、1,150人（前年比65人増）であり、特に、70歳以上の保護観察開始人員は、約5.7倍に増加し、30年以降、65～69歳の人員を上回っている。

保護観察付全部・一部執行猶予者では、高齢者の保護観察開始人員は増減を繰り返しており、高齢者率については、平成26年及び28年に9.2％に達した後は低下傾向にあり、令和3年は7.1％（前年比0.7pt低下）であった。3年の高齢者の保護観察開始人員は、平成14年と比べて約1.5倍に増加した。特に、70歳以上の保護観察開始人員は、約2.6倍に増加し、23年以降、65～69歳の人員を上回っている。

令和3年における保護観察付一部執行猶予者の保護観察開始人員を年齢層別に見ると、20～64歳は1,287人、65～69歳は21人、70歳以上は17人となっている（CD-ROM参照）。

4-8-2-4図　高齢者の保護観察開始人員・高齢者率の推移

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令和3年における仮釈放による出所受刑者の人口比を年齢層別に見ると、20～64歳が14.0であったのに対し、65～69歳は5.6、70歳以上は2.5であった（保護統計年報及び総務省統計局の人口資料による。）。

令和3年の高齢出所受刑者の仮釈放率は、43.6％であり、出所受刑者全体の仮釈放率（60.9％）よりも17.2pt低い（出所受刑者全体の仮釈放率については、2-5-2-1図CD-ROM参照）。年齢層別に見ると、65～69歳は45.1％（前年比2.1pt上昇）、70歳以上は42.8％（同4.2pt上昇）であった。3年の女性の高齢出所受刑者の仮釈放率は、67.6％であり、高齢出所受刑者全体の仮釈放率よりも24.0pt高く、年齢層別に見ると、65～69歳は68.1％（同1.5pt低下）であり、70歳以上は67.4％（同3.9pt上昇）であった（法務省大臣官房司法法制部の資料による。）。