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令和4年版 犯罪白書 第3編/第3章/第1節/1

第3章 少年の刑事手続
第1節 概要
1 起訴と刑事裁判

検察官は、家庭裁判所から刑事処分相当として少年の事件の送致を受けた場合、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、原則として、公訴を提起しなければならない。

起訴された少年の公判の手続は、20歳以上の者の場合とほぼ同様である。ただし、裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるときは、決定で、事件を家庭裁判所に移送する。

少年を有期の懲役又は禁錮をもって処断すべきときは、刑の執行を猶予する場合を除き、処断すべき刑の範囲内において、長期(15年を超えることはできない。)を定めるとともに、長期の2分の1(長期が10年を下回るときは、長期から5年を減じた期間。以下この項において同じ。)を下回らない範囲内において短期(10年を超えることはできない。)を定めて、不定期刑を言い渡す。また、不定期刑の短期は、少年の改善更生の可能性その他の事情を考慮し特に必要があるときは、処断すべき刑の短期の2分の1を下回らず、かつ、長期の2分の1を下回らない範囲内において、処断刑の下限を下回る期間を定めることができる。ただし、改正法により、特定少年に対しては、20歳以上の者と同様に、不定期刑ではなく最長30年以下の範囲で定期刑を言い渡すこととなった(令和4年4月施行。改正法の概要については、本編第2章第1節1項参照)。

犯行時18歳未満の者には、死刑をもって処断すべきときは無期刑を科さなければならず、無期刑をもって処断すべきときであっても、有期の懲役又は禁錮を科することができる。この場合において、その刑は、10年以上20年以下において言い渡す。