確定記録調査対象者の人員は,202人(男性199人,女性3人)であった。確定記録調査対象者が行った特殊詐欺には,1人の確定記録調査対象者が複数件の特殊詐欺を行った場合があるほか(8-5-3-5図参照),複数の確定記録調査対象者が共に同一の者を被害者とする特殊詐欺を行った場合がある。確定記録調査対象者が行った特殊詐欺の延べ件数から,被害者や主要な事実等が共通する事件の数を除くと,その件数は336件であった(以下この節においては,特に断りのない限り,確定記録調査対象者が行った特殊詐欺の延べ件数から,被害者や主要な事実が共通する事件の数を除いたものを「特殊詐欺事件」という。)。特殊詐欺事件の犯行類型別(8-3-1-16表参照)構成比を見ると,8-5-3-1図のとおりである。オレオレ詐欺の構成比(59.2%,199件)が最も高く,次いで,金融商品詐欺(8.3%,28件),架空料金請求詐欺(6.3%,21件),ギャンブル詐欺(5.7%,19件)の順であった。融資保証金詐欺,交際あっせん詐欺及びキャッシュカード詐欺盗はなかった。
特殊詐欺事件(架け子が詐称した身分が不詳のものを除く。)について,架け子(本編第3章第1節1項(3)及び本節2項(1)参照)が詐称した身分(複数の身分を詐称した場合,最初に詐称した身分又は主に詐称した身分)別の構成比を見ると,8-5-3-2図のとおりである。家族・親族を詐称した事件の構成比は,約6割に上っている。個別に見ると,「被害者の子・孫」の構成比(54.0%,181人)が最も高く,次いで,「企業等の社員・従業員」(37.3%,125人),「その他の親族」(4.8%,16人)の順であり,この三つの身分で96%を超える。